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コロナ後遺症、1 年後は約半数が持続

9/5/2023 10:00:04

新型コロナ

今日のポイント:コロナ後遺症、感染から 12 ヶ月時点で有病率は約半数
 

コロナ後遺症の持続状況を報告した研究を紹介します。米国疾病予防管理センター(CDC)が実施したコロナ罹患後症状(コロナ後遺症、long COVID)に関する多施設共同研究を紹介します。(Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)誌、2023年8月11日号)

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前向き多施設コホート研究である Innovative Support for Patients with SARS-CoV-2 Infections Registry(INSPIRE)の 2020 年 12 月~2023 年 3 月のデータが用いられました。米国 8 施設において、研究登録時に新型コロナ様症状を発症した 18 歳以上の 1,296例(SARS-CoV-2 検査陽性 1,017 例と検査陰性 279 例)を対象に、長期症状および転帰を
評価しました。ベースライン調査、3 ヵ月、6 ヵ月、9 ヵ月、12 ヵ月時点の追跡調査を行い、継続する症状と、新たに発症/再発した症状を区別しました。
アウトカムは自己申告による 8 カテゴリーの症状:(1)頭、目、耳、鼻、喉(HEENT)、(2)体質、(3)肺、(4)筋骨格系、(5)消化器、(6)循環器、(7)認知障害、(8)極度の疲労としました。検査陽性群と検査陰性群の統計学的比較はχ2 検定を用いて評価しました。追跡期間中に SARS-CoV-2 検査結果が陽性になった参加者は解析から除外しました。

  • 6,075 例が登録され、12 ヵ月間のすべての調査を完了し、追跡期間中にコロナに再感染しなかった参加者は 1,296 例。女性 67.4%(842 例)でした。非ヒスパニック系白人 72%(905 例)で、年齢の比率は、18~34 歳 39.3%、35~49 歳 31.1%、50~64 歳 20.7%、65 歳以上 8.7%でした。
  • 検査陽性群では、検査陰性群と比べて女性の割合が低く(陽性群:65.2% vs.陰性群75.2%、p<0.01)、既婚またはパートナーと同居(60.3% vs.48.9%、p<0.01)、コロナ急性期症状での入院(5.6% vs.0.4%、p<0.01)の割合が高くなりました。
  • 症状の持続について、ベースライン時では陽性群のほうが陰性群よりも各症状カテゴリーの有病率が高く、3 ヵ月時点で大幅に減少し、6~12 ヵ月にかけて徐々に減少し続けました。
  • 12 ヵ月時点で、何らかの症状が急性期から持続していると報告したのは、陽性群18.3%、陰性群 16.1%で、統計学的な有意差は認められませんでした。
  • 12 ヵ月時点での「極度の疲労」の持続は、陰性群が有意に高かった(陽性群 3.5% vs.陰性群 6.8%)でした。
  • 感染から一定期間を置いて何らかの症状が発症/再発した人は、陽性群と陰性群共に、12ヵ月時点で約半数に上りました。
  • 感染から一定期間後の症状の発症/再発について、症状カテゴリー別の有病率は、陽性群と陰性群共に、「極度の疲労」以外は各検査時点で同程度でした。
  • 「極度の疲労」の有病率は、9 ヵ月と 12 ヵ月時点において、陽性群よりも陰性群のほうが高くなりました。異常より、COVID-19 に罹患した人の約 16%が、感染から 12 ヵ月後も何らかの症状が持続していること、また、感染から一定期間を置いて何らかの症状が発症/再発した人を含めると、感染から 12 ヵ月時点での有病率は約半数にも上りました。


 
参考:Prevalence of Symptoms ≤12 Months After Acute Illness, by COVID-19 Testing Status Among Adults — United States, December 2020–March 2023 | MMWR (cdc.gov)

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