便秘と心不全再入院リスクの関係
4/6/2025 10:00:04
今日のポイント:心不全による再入院のリスクに便秘が関与している可能性
便秘と心不全による再入院のリスクを調査しました。東京都立多摩総合医療センターからの報告です。(Circulation Reports、2024年11月号)

解析対象は、2016年4月~2022年3月に国内のDPC対象病院へ心不全のために初回入院し、生存退院した20歳以上の患者から、先天性心疾患、血行再建術や心臓移植が施行された症例、末期腎不全合併症例などを除外した55万6,792人(平均年齢80.0±12.3歳、女性49.2%)としました。退院時に下剤が処方されていた患者を「便秘あり」と定義すると22.0%が該当しました。便秘あり群は高齢で(82.7±10.1対79.2±12.8歳)、女性が多くなりました(53.5対48.0%)。
・主要評価項目として設定した「退院後1年以内の心不全による再入院」は、10万2,221人に発生しており、発生率は便秘あり群24.0%、なし群18.6%でした。
・副次評価項目として設定した「退院後1年以内の心不全による再入院および全ての再入院中の死亡」という複合エンドポイントは11万4,661人に発生し、発生率は前記の順に26.6%、20.6%でした。
・60項目の共変量(年齢、性別、BMI、併存疾患、入院中の管理・治療、退院時処方薬、入院した年度、入院期間、退院時の日常生活動作〔ADL〕、病院の特徴〔大学病院か否か、年間心不全入院患者数〕など)を調整したCox比例ハザードモデルでの解析により、便秘あり群は便秘なし群に比べ、高い心不全再入院リスクと関連していました(調整後ハザード比〔aHR〕1.08〔95%信頼区間1.06~1.10〕)。
・また、死亡も含めた副次評価項目についても便秘と有意な関連が認められました(aHR1.09〔1.07~1.10〕)。
以上より、便秘により心不全の再入院リスクが高まることが示唆されました。
参考文献:
Association Between Coexisting Constipation and Heart Failure Readmission in Patients With Heart Failure ― A Nationwide Database Study ―
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