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高齢者と笑い

5/25/2023 10:00:04

認知症

今日のポイント:笑いの機会の創出で認知症リスクの低下


大阪大学より、日本人高齢者における笑いのさまざまな機会と認知症リスクとの関連について調査を行いました。(Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版、2022年3月14日号)

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日本老年学的評価研究の6年間のフォローアップデータを用いて抽出した65歳以上の高齢者1万2,165人を対象としました。笑いの機会の評価には質問票を用い、認知症の評価には、介護保険制度で標準化された認知症尺度を用いました。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定するため、Cox比例ハザードモデルを用いました。

  • 笑いの機会の多様性が低い高齢者と比較した、多様性が高い高齢者における認知症発症率の多変量HRは、0.84(95%CI:0.72~0.98、P for trend<0.001)でした。
  • 笑いの機会の高い多様性は、女性において認知症リスクの低下と関連が認められました(HR:0.78、95%CI:0.63~0.96、P for trend<0.001)が、男性全体では認められず、多様性が中程度の場合のみで有意な関連が認められました。
  • 友人との会話、子供や孫とのコミュニケーション、ラジオによる笑いの機会は、認知症リスクの低下と関連していました。

 
以上より、さまざまな笑いの機会の創出は認知症リスクの低下につながる可能性があります。



参考:Occasions for laughter and dementia risk: Findings from a six‐year cohort study - Wang - 2022 - Geriatrics & Gerontology International - Wiley Online Library

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