目的意識を持って生活することで脳の健康を維持できる
10/26/2025 10:00:05
今日のポイント:目的意識を持って生活することで認知症を予防可能
人生に目的意識を持つことによる認知症予防効果を検証しました。米カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)からの報告です。(The American Journal of Geriatric Psychiatry、2025年10月号)
2006年から2020年の間に米連邦政府のHealth and Retirement Study(健康と退職に関する調査)に参加した45歳以上の米国成人1万3,765人を追跡調査し、目的意識と認知障害の発症リスクの低下や認知障害発症の遅延との関連を検討しました。この調査には、人生における目的意識を評価するウェルビーイングに関する7項目の質問票が含まれていました。質問の例は、「自分で立てた計画を積極的に実行するタイプだ」や「人生において進むべき方向性や目的意識を持っている」などで、回答者は、それぞれの質問に対してどの程度強く同意/反対するかを回答していました。
・中央値8年(最長15年)に及ぶ追跡期間中に1,820人(13%)が認知障害を発症していました。
・性別、ベースライン時の年齢、学歴、抑うつ症状の平均スコア、人種・民族を調整して解析した結果、人生における目的意識が高い群では、低い群に比べて認知障害の発症リスクが28%有意に低いことが示されました(ハザード比0.72、95%信頼区間0.63〜0.82)。
・この関連は、遺伝子型データを有するサブグループにおいて、共変量としてアルツハイマー病のリスク因子であるAPOE e4アリルを調整後も有意なままでした。
・さらに、目的意識の高い群では低い群に比べて認知障害の発症年齢が高いことも示されました。
以上より、人生に高い目的意識を持っている人では、目的意識の低い人と比べて軽度認知障害または認知症を発症する可能性が28%低いことが示されました。
参考文献:
Life Purpose Lowers Risk for Cognitive Impairment in a United States Population-Based Cohort - The American Journal of Geriatric Psychiatry
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