頭痛と死亡リスク
4/13/2025 10:00:05
今日のポイント:頭痛の種類を問わず、自殺リスク上昇
さまざまな頭痛疾患と自殺企図および自殺リスクとの関連を調査しました。デンマーク・オーフス大学からの報告です。(JAMA Neurology誌オンライン版、2025年2月3日)

1995〜2020年にデンマーク国民を対象に人口ベースコホート研究を実施しました。デンマークの人口は約560万人で、対象は頭痛と診断された15歳以上の患者および性別、生年月日に基づき1:5の比率でマッチさせた対照者としました。2023年5月〜2024年5月にデータ分析を行いました。頭痛患者は、入院、救急外来、専門外来クリニックにおいてICD-10に基づき、初めて頭痛と診断された患者としました。主要アウトカムは、自殺企図および自殺リスクとしました。自殺企図は、ICD-10診断コードを用いてデンマーク国立患者レジストリおよびデンマーク精神医学中央研究所レジストリより特定しました。自殺は、デンマーク死因レジストリより特定しました。自殺企図および自殺の絶対リスク(AR)とリスク差(RD)は、累積発生率関数を用いて算出しました。頭痛診断と関連する自殺企図および自殺のハザード比(HR)は、年齢、性別、年、教育、収入、ベースラインの併存疾患で調整した後、競合する死亡リスクを考慮して算出しました。
・対象は、頭痛と診断された患者11万9,486例(女性の割合:69.5%[8万3,046例])と対照群59万7,430例(女性の割合:69.5%[41万5,230例])でした。
・年齢中央値は、40.1歳でした(四分位範囲[IQR]:29.1〜51.6)。
・自殺企図の15年ARは、頭痛患者で0.78%(95%信頼区間[CI]:0.72〜0.85)、比較コホートで0.33%(95%CI:0.31〜0.35)でした(RD:0.45%、95%CI:0.39〜0.53)。
・自殺の15年ARは、頭痛患者で0.21%(95%CI:0.17〜0.24)、比較コホートで0.15%(95%CI:0.13〜0.16)でした(RD:0.06%、95%CI:0.02〜0.10)。
・自殺企図および自殺の危険性は、比較コホートと比較し、頭痛患者で有意に高くなりました。
【自殺企図の危険性】HR:2.04、95%CI:1.84〜2.27
【自殺の危険性】HR:1.40、95%CI:1.17〜1.68
・これらの結果は、頭痛の種類を問わず一致しており、TACおよび外傷後頭痛との関連性はより強力でした。
以上より、頭痛の診断と自殺企図および自殺との間に、強力かつ持続的な関連性が確認されました。
参考文献:
Risk of Attempted and Completed Suicide in Persons Diagnosed With Headache | Headache | JAMA Neurology | JAMA Network
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓