小児のコロナ治療薬 | しーとくんと考えるコロナとがん

今日のポイント：抗ウイルス薬「レムデシビル」、ステロイド薬「デキサメタゾン」は小児に投与可能

　一般に、成人と異なり小児ではコロナに罹患しても軽症で済む場合が多いというのは以前にお話ししました(入院にしたコロナ小児の症状)。しかしながら、万が一症状が進行した場合にどのような治療選択肢があるのかは、あらかじめ知っておきたいですよね。そういった方の声を耳にしたので、今回は小児に使用できる代表的なコロナ治療薬について書いてみます。※すべての小児に使用できるわけではありません。実際の使用に関しては主治医に聞いてみてください。

・抗ウイルス薬「レムデシベル」
→RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで抗ウイルス作用を発揮します。主に成人での研究データですが、発症から10日前後以内に、人工呼吸が必要なまでに重症化する前段階で投与開始することで臨床的な効果が得られるとする研究データが多いようです。成人でのデータが中心であり、小児に関するデータは少ないですが小児でも同様の効果が得られたとする国際多施設共同研究の報告もあります。

・ステロイド薬「デキサメタゾン」
→抗ウイルス効果ではなく免疫状態の改善を図る薬剤です。コロナ治療に限らず、これまでもアレルギー性の疾患や炎症性の疾患に広く利用されてきた薬剤です。特に酸素や人工呼吸を使用するなどの重症患者の症状を改善する効果が期待されています。

　最近はますます多くの治療薬が研究され、国内国外で承認を得ている薬剤も増えてきています。軽症～重症までそれぞれの状態に合わせて適切な治療選択肢が多くなれば、その分だけより良い医療を提供できることにつながります。今後も優れた新規薬剤の出現に期待しましょう。

参考：