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PPIと認知症

9/14/2023 10:00:05

認知症

今日のポイント:PPIの長期使用(4.4年以上)で認知症リスク増大
 

長年にわたってプロトンポンプ阻害薬(PPI)を処方されている高齢者では、認知症を発症するリスクが高まる可能性が指摘されています。米ミネソタ大学公衆衛生学部からの報告です。(Neurology、2023年8月9日)

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数千人の米国人の心臓の健康状態を追跡調査することを目的とした米政府による長期研究(ARIC研究)のデータを用いて、2011~2013年の調査時に認知症がなかった5,712人の参加者(平均年齢75.4±5.1歳、女性58%)を対象に解析を行いました。なお、当時PPIを使用していた参加者の割合は4人に1人程度(25.4%)でした。

  • 5.5年間(中央値)の追跡期間中に、585人が新たに認知症を発症していました。
  • 年齢や糖尿病、高血圧の有無などを調整して解析した結果、累積で4.4年を超えてPPIを使用していた長期使用者では、PPIを一度も使用したことがない人と比べて認知症を発症するリスクが33%有意に高いことが示されました。
  • これに対して、短期使用者(1日〜2.8年)や中期間の使用者(2.8年超〜4.4年)では、有意なリスク増加は認められませんでした。
  • ただし、この研究では、OTC医薬品のPPI使用者は解析対象から除外されていました。

 
以上より、今回の研究では、「因果関係ではなく関連が認められたに過ぎない」ものの、4.4年超という長期間のPPIの使用と認知症リスクの上昇との間に関連が認めらました。

 
参考:Cumulative Use of Proton Pump Inhibitors and Risk of Dementia: The Atherosclerosis Risk in Communities Study | Neurology

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