title

辛い食べ物と認知機能

6/23/2023 9:30:56

認知症

今日のポイント:辛い食物は認知機能低下の予測因子


アルツハイマー病または認知機能低下と辛い食物摂取や身体活動との関係を調べた研究を紹介します。韓国・順天郷大学校からの報告です。(Scientific Reports 誌、2023 年 5 月16 日号)

image

認知症でない高齢者 196 人を対象としました。対象者の辛い食物摂取、アルツハイマー病関連の記憶および全体的な認知機能、身体活動などを含む包括的な食事と臨床評価に関するデータを収集しました。辛さは、「辛くない(対照)」「少し辛い」「非常に辛い」の3 段階に層別化し、独立変数として分析に用いました。辛さのレベルと認知機能との関連を評価するため、重回帰分析を用いました。

  • 辛さレベル別の割合は、「辛くない」93 人、「少し辛い」58 人、「非常に辛い」45 人でした。
  • 高レベルの辛さは、対照群と比較し、記憶力低下(β=-0.167、p<0.001)または全体的な認知機能低下(β=-0.122、p=0.027)と有意な関連が認められましたが、記憶力以外では認められませんでした。
  • 6 つの変数(年齢、性別、アポリポ蛋白 Eε4 対立遺伝子陽性率、血管リスクスコア、BMI、身体活動)を追加し、辛さレベルと記憶または全体的な認知機能との関連を緩和する効果を調査するため、重回帰分析を繰り返しました。
  • 身体活動には、高レベルの辛さと記憶(β=0.209、p=0.029)または全体的な認知機能(β=0.336、p=0.001)の影響に対する緩和効果が検出されました。
  • サブグループ解析では、高レベルの辛さと記憶(β=-0.254、p<0.001)および全体的な認知機能(β=-0.222、p=0.002)の低下との関連は、身体活動量の低い高齢者でみられるものの、身体活動量の多い高齢者では認められませんでした。


以上より、辛い食物摂取はアルツハイマー病関連の認知機能低下(エピソード記憶)の予測因子であり、とくに身体活動量の低い高齢者では悪化の可能性があることが示されました。

参考:Spicy food intake predicts Alzheimer-related cognitive decline in older adults with low physical activity | Scientific Reports (nature.com)

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 病気ブログ 新型コロナウイルス感染症へにほんブログ村 病気ブログ がんへ