title

コロナ禍での認知機能低下、運動量やアルコール摂取量と関係

12/24/2023 10:00:05

認知症

今日のポイント:コロナ禍での認知機能低下は運送量減少やアルコール量摂取増加と関係


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中の規制(活動制限や物理的距離制限など)が50歳以上の中~高齢者の認知機能に及ぼした影響を調査しました。英国・エクセター大学からの報告です。(The Lancet Healthy Longevity誌、2023年11月号)

image

英国縦断研究PROTECT試験の参加者は認知症ではない50歳以上の人で、認知機能評価(実行機能と作業記憶)や健康関連アンケートを毎年受けるとともに、身体活動量やアルコール摂取量などの生活習慣を聴取しました。パンデミック前(2019年3月1日~2020年2月29日)、パンデミック1年目(2020年3月1日~2021年2月28日:コロナ規制期間)、パンデミック2年目(2021年3月1日~2022年2月28日:コロナ規制解除期間)における同じ個人のデータを収集し、線形混合効果モデルを使用して3つの期間の認知機能を比較しました。サブグループ解析では、COVID-19既感染者や軽度認知症患者を対象として関連を調べるとともに、探索的解析では認知機能の変化に関連する因子を同定しました。
 
・解析には、3,142例(女性:1,696例[54.0%]、平均年齢:67.5歳[SD 9.6、範囲 50~96])が含まれました。パンデミック1年目に752例(23.9%)がCOVID-19を発症し、147例(4.7%)が軽度認知症の基準を満たしました。
・パンデミック前と比べて、パンデミック1年目は全コホートで実行機能と作業記憶が有意に低下しました(実行機能の効果量:0.15[95%信頼区間[CI]:0.12~0.17]、作業記憶の効果量:0.51[95%CI:0.49~0.53]、いずれもp<0.0001)。
・パンデミック2年目においても、全コホートで作業記憶が有意に低下していました。
・COVID-19既感染者および軽度認知症患者のサブグループでも同様の結果でした。
・COVID-19の流行前(2017~19年)と比較して、パンデミック1年目および2年目の認知機能は加速度的に低下していました。
・全コホートにおいて、認知機能の低下は運動量減少およびアルコール摂取量増加と関連していました。COVID-19既感染者では抑うつ、軽度認知症患者では孤独とも関連していました。
 
以上より、パンデミック前と比べてパンデミック中は認知機能が顕著に悪化し、運動量の減少およびアルコール摂取量の増加と関連


参考:Cognitive decline in older adults in the UK during and after the COVID-19 pandemic: a longitudinal analysis of PROTECT study data - The Lancet Healthy Longevity

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 病気ブログ 新型コロナウイルス感染症へにほんブログ村 病気ブログ がんへ