社会参加の促進は認知症予防にどの程度効果があるか
9/23/2025 10:00:00
今日のポイント:75歳以上の認知症発症率の低下は、社会参加および社会参加と関連する変数が影響を及ぼしている可能性
社会参加は、認知症発症リスクの低下とどの程度関連しているか調査しました。医療経済研究機構のからの報告です。(Archives of Gerontology and Geriatrics誌、2025年10月号)

日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを分析しました。本研究は、要介護認定を受けていない65歳以上の地域在住高齢者を対象とした2つの3年間フォローアップ調査コホート(2013〜16年:2万5,281人、2016〜19年:2万6,284人)で構成しました。生存分析を用いて、コホートおよび社会参加を説明変数として認知症のハザード比(HR)を算出しました。解析は、年齢別(65〜74歳、75歳以上)に層別化し、人口統計学的因子、社会参加、社会参加に関連する変数について調整しました。
・認知症発症率は、コホート間で1万人年当たり149.7人(2013〜16年)から131.3人(2016〜19年)へ減少していました。
・2016〜19年のコホートにおける性別および年齢調整HRは、65〜74歳で0.83(95%信頼区間[CI]:0.67〜1.03)、75歳以上で0.83(95%CI:0.75〜0.91)でした。
・社会参加および社会参加に関連する変数を調整した後、75歳以上での有意差は消失しました(HR:0.99、95%CI:0.89〜1.09)。
以上より、75歳以上の認知症発症率の低下は、社会参加および社会参加と関連する変数が影響を及ぼしている可能性があり、これらの知見は、社会参加と認知症発症率低下との間に潜在的な関連があることを示唆しています。
参考文献:
Comparing the incidence rates of dementia: Association of social participation among older adults in Japan - ScienceDirect
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