心血管疾患と歯の喪失
11/5/2024 10:00:05
今日のポイント:歯の喪失は心血管疾患による死亡リスクと関連
歯の喪失と心血管疾患(CVD)による死亡リスクとの関連を調査しました。米ケース・ウェスタン・リザーブ大学からの報告です。(Journal of Endodontics、2024年6月28日)
今回、論文データベースから選び出した12件の研究を対象にシステマティックレビューとメタアナリシスを実施し、歯の喪失とCVDによる死亡リスクとの関連について検討しました。歯の喪失は、全歯欠損または残存歯が10本未満の場合と定義しました。
・その結果、歯を喪失した人では、歯を喪失していない人に比べてCVDによる死亡リスクが66%高いことが明らかになりました(ハザード比1.66、95%信頼区間1.32〜2.09)。
・全歯欠損か残存歯が10本未満かで分けて解析すると、全歯欠損の人ではCVDによる死亡リスクが高く、この結果は研究間で一貫していました。
・同様に、残存歯が10本未満の人でも同リスクは増加していましたが、研究間で結果にばらつきが認められました。
・さらに、主な交絡因子に基づく感度分析でも、歯の喪失がCVDによる死亡のリスク因子であることが確認されました(ハザード比1.52、95%信頼区間1.28〜1.80)。
以上より、失った歯の本数が多いほど心血管疾患での死亡リスクは高くなる可能性のあることが明らかになりました。
参考文献:
Tooth Loss is a Risk Factor for Cardiovascular Disease Mortality: A Systematic Review with Meta-analyses - Journal of Endodontics (jendodon.com)
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