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減塩には甘じょっぱい味は向かない

11/13/2025 10:00:00

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→減塩には甘じょっぱい味は向かない

近年の研究では、慢性腎臓病(CKD)患者において味覚認識だけでなく、高塩分濃度への嫌悪感も変化していることが明らかにされています。一方で、さまざまな味覚を組み合わせた場合の影響は依然として不明であったため、甘味を加えることの影響を調査しました。京都府立医科大学からの報告です。(Scientific Reports誌電子版、2025年7月7日号)

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研究グループは、健康成人100例とCKD患者66例を対象に、濃度の異なる塩化ナトリウム、スクロース、酒石酸、キニーネ塩酸塩を浸した濾紙を用いた味覚試験を実施しました。嫌悪閾値は、不快と感じられる最低濃度と定義し、甘味と塩味、酸味、苦味の組み合わせにおける嫌悪閾値を測定しました。

・塩味、酸味、苦味に対する嫌悪感は濃度とともに増加しました。
・高塩分濃度に対する嫌悪を示さなかったのは健康成人が44%、CKD患者が79%でした。
・甘味を加えると塩味嫌悪が有意に減少し、高塩分濃度に対する嫌悪を示さなかったのは健康成人が52%、CKD患者が92.4%でした。
・甘味は酸味に対する嫌悪感をやや軽減したが、いずれの群においても苦味には影響しませんでした。
・甘味は健康成人とCKD患者の双方において、高塩分濃度への嫌悪感を低減しました。

以上より、甘味は健康成人とCKD患者の双方で高塩分への嫌悪感を低減することが判明し、塩分摂取を制限するには、塩分含有量を減らすだけでなく、塩分嫌悪感を低下させる過剰な甘味も避けた方が良いことが示唆されました。


参考文献:
The addition of sweetness reduces aversion to high salt concentrations in patients with chronic kidney disease | Scientific Reports

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