コロナ後遺症、半年後も約4人に1人が残存
1/5/2022 9:30:02
新型コロナ
今日のポイント:コロナ後遺症は26%に遷延し、若年者、女性ほど症状が出やすい
新型コロナウイルス感染症罹患後の遷延症状について、国立研究開発法人 国立国際医療研究センターより最新の報告がありました。実際に新型コロナウイルス感染症に罹患した526名にアンケートを依頼し、そのうち457名からアンケートを回答してもらった結果を集計したものです。
回答者の属性は、年齢47歳(中央値)、女性50.5%、何らかの基礎疾患あり212名(46.4%)
- 457名のうち、軽症378名(84.4%)、次いで中等症57名(12.7%)、重症13名(2.9%) ※欠損値ありで9名が除外
- 急性期から遷延する症状(倦怠感、嗅覚障害、咳嗽、味覚障害、呼吸困難)】と【回復後に出現する症状(脱毛、集中力低下、記銘力障害、うつ)】について、発症時または診断時からの日数と何らかの症状を有する患者の割合をグラフに示しました。
発症時もしくは診断時から6ヵ月経過時点で337名(73.7%)が無症状であるものの、120名(26.3%)に何らかの症状を認め、12ヵ月経過時点では417名(91.2%)が無症状、40名(8.8%)に何らかの症状を認めました。
男性と女性を比較すると、女性の方が倦怠感、味覚・嗅覚障害、脱毛が出現しやすく、味覚障害が遷延しやすいことがわかりました。また、若年者、やせ型であるほど味覚・嗅覚障害が出現しやすいことがわかりました。
また、抗ウイルス薬やステロイドなどの急性期治療の有無と遷延症状の出現に明確な相関関係はありませんでした。
今回の調査結果はアンケート形式であるためかなり主観的な個人差があること、過去の出来事を想起するために生じるバイアスが存在するなどがあり、これらが今回の調査の限界としています。しかしながら、半年後も自覚症状としてのコロナ後遺症が持続する可能性が約4人に1人あるとわかったことは大きなことだと思います。
参考:新型コロナウイルス感染症罹患後の遷延症状の記述疫学とその出現・遷延リスク因子に関する報告|国立国際医療研究センター (ncgm.go.jp)
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