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妊娠中のコロナワクチンと出生児の感染や入院の関係

2/19/2023 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:妊娠中のコロナワクチン接種で出生児の感染や入院リスクを予防
 

妊娠中のコロナワクチン接種が、乳児の SARS-CoV-2 感染および入院リスクを低下する可能性を示す新たなエビデンスが発表されました。カナダ・トロント大学からの報告です。(BMJ 誌、2023 年 2 月 8 日)

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研究グループは、ICES(旧名称:Institute for Clinical Evaluative Sciences)のデータベースを用い、カナダで最も人口の多いオンタリオ州において 2021 年 5 月 7 日~2022 年 3 月 31 日の期間に生まれ、2021 年 5 月 7 日〜2022 年 9 月 5 日の期間に SARS-CoV-2 の検査を受けた生後 6 ヵ月未満児を特定し解析を行いました。
コロナワクチン接種データベース(COVaxON)を用いて母親の妊娠中のワクチン接種状況を調べ、デルタ株またはオミクロン株の感染が検査で確認された乳児を症例群、検査が陰性であった乳児を対照群として、乳児のデルタ株またはオミクロン株の感染または入院に対するワクチン有効率を多変量ロジスティック回帰モデルにより解析しました。
乳児 8,809 例が適格基準を満たし、症例群はデルタ株 99 例、オミクロン株 1,501 例、対照群はそれぞれ 4,365 例、4,847 例が含まれました。

  • 母親が妊娠中にワクチンを 2 回接種した場合の有効率は、乳児のデルタ株感染に対して95%(95%信頼区間[CI]:88~98)、デルタ株感染による入院に対して 97%(73~100)であり、オミクロン株感染に対しては 45%(37~53)、オミクロン株感染による入院に対しては 53%(39~64)でした。
  • 妊娠中のワクチン 3 回接種の有効率は、オミクロン株感染に対して 73%(95%CI:61~80)、オミクロン株感染による入院に対して 80%(64~89)でした。
  • 乳児のオミクロン株感染に対するワクチン 2 回接種の有効率は、妊娠第 1 期(47%、95%CI:31~59)または第 2 期(37%、24~47)と比較して、妊娠第 3 期で最も高くなりました(53%、42~62)。
  • 出生~生後 8 週までは 57%(44~66)でしたが、生後 16 週以降には 40%(21~54)へ低下していました。


以上より、妊娠中のワクチン接種で新生児の感染や入院リスク低下につながる可能性が示されました。


参考:Maternal mRNA covid-19 vaccination during pregnancy and delta or omicron infection or hospital admission in infants: test negative design study | The BMJ

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