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オミクロン株と従来株の違い

2/15/2022 9:30:02

新型コロナ

今日のポイント:入院、重症化、死亡リスクは低い


 日に日に急増するオミクロン株によるコロナ感染数ですが、従来型の株と比べて重症化などどの程度異なるのか、本日は南アフリカからの最新論文を見て考えていきましょう。(2021/12/30 JAMA online誌)

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 南アフリカでのCOVID-19第4波はオミクロン株が原因とされます。南アフリカではこれまでに第1波2020年6-8月(従来株)、第2波2020年11月-2021年1月(ベータ株)、第3波2021年5月-9月(デルタ株)が流行しており、直近では第4波2021年11月-12月20日(オミクロン株)が発生しています。
 上記の各流行期でどのような違いがあるのでしょうか。

  • 各波の初期で治療介入がなされたのは、第3波が6,342例で最多、第4波は2,351例と少なかった。
  • 第1-3波でコロナウイルス陽性で救急に受診した患者の68-69%は入院を要したが、第4波では41.3%と低かった。
  • 入院患者の年齢中央値は第4波が若く36歳(最も高かったのは第3波で59歳)、女性の割合が高かった。
  • 第4波では急性呼吸器疾患の症状割合が少なかった。
  • 酸素吸入や人工呼吸を必要とした患者の割合は第4波で低かった。(第4波17.6%、第3波74%)
  • 死亡率は第1波19.7%、第3波29.1%、第4波2.7%であった。

この研究結果にはいくつかの限界があるものの(追跡最終日12月20日の段階で患者7%が入院していたことなど)、オミクロン株と従来株の違いの傾向を推測するには一定の効果があるように思います。今後さらにオミクロン株の追加情報が望まれています。


参考:Characteristics and Outcomes of Hospitalized Patients in South Africa During the COVID-19 Omicron Wave Compared With Previous Waves | Global Health | JAMA | JAMA Network

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