亜鉛欠乏で認知症発症リスク増加か
1/13/2026 10:00:05
今日のポイント
→認知症発症リスク、亜鉛欠乏で30%増
亜鉛欠乏と認知症の発症の関連性を調査しました。台湾・Chi Mei Medical Centerからの報告です。(Frontiers in Nutrition誌、2025年11月4日号)
亜鉛欠乏と認知症の新規発症リスクの関連を調査するため、TriNetXの研究ネットワークを用いて、2010年1月~2023年12月に血清亜鉛の検査を受けた50歳以上を対象とした後ろ向きコホート研究を実施しました。対象者を亜鉛濃度(欠乏症:70μg/dL未満、正常値:70~120μg/dL)で層別化し、認知機能障害の既往がある者、亜鉛代謝に影響を与える疾患を有する患者を除外後、人口統計学的特性、併存疾患、薬剤、臨床検査値に基づき1対1の傾向スコアマッチングを行いました。主要評価項目は3年以内の新規認知症の発症としました。また、追加評価項目として認知機能障害を、本研究の解析アプローチ検証のための陽性対照評価項目として肺炎を含めました。
*原著論文では亜鉛濃度をμg/mLで表記しているが、診療指針等を考慮し本文ではμg/dLに修正。
・傾向スコアマッチング後、各群に3万4,249例が含まれました。
・亜鉛欠乏は、認知症発症リスクを34%上昇させる(調整ハザード比[HR]:1.34、95%信頼区間[CI]:1.17~1.53、p<0.001)、肺炎発症リスクを72%上昇させる(調整HR:1.72、95%CI:1.63~1.81、p<0.001)ことと関連していました。
・認知機能障害は、全期間を対象とした解析では有意な関連を示しませんでした(調整HR:1.08、95%CI:0.92~1.28、p=0.339)が、新型コロナウイルス感染症パンデミック前の期間(2010~19年)の解析では、調整HRが1.38(95%CI:1.11~1.72、p=0.004)と有意な関連を示しました。
・軽度から中等度の亜鉛欠乏(50~70μg/dL)と重度の亜鉛欠乏(50μg/dL未満)をそれぞれ正常亜鉛レベルでの認知症新規発症リスクと比較した場合、軽度から中等度の亜鉛欠乏の調整HRは1.26(95%CI:1.10~1.46)、重度の亜鉛欠乏では調整HRは1.71(95%CI:1.36~2.16)と用量反応関係が明らかでした。
以上より、亜鉛欠乏による認知症発症との関連が示唆されました。
参考文献:
Frontiers | Association of zinc deficiency and risk of new-onset dementia: a retrospective cohort study
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