マスク・手洗い・対人距離の効果

今日のポイント：マスク・手洗い・対人距離はコロナ発症率を低下させる


　マスク・手洗い・対人距離はすっかり日常生活に染みついていますが、果たして実際そのコロナ対策効果はあるのか、という科学的なデータも気になるところです。今日はそんな声を受けて最新のランダム効果メタ解析の手法を用いた論文を紹介します。(BMJ誌2021年11月17日号に掲載)

• 主要評価項目はコロナ発症率、副次評価項目はコロナ感染率およびコロナ関連死亡率でした。
• 選択基準を満たした論文72のうち、35が個別の感染対策を評価し、37が複数の感染対策を「パッケージ介入」として評価していました。
• 個別の感染対策を評価した35の論文のうち8つをメタ解析し、手洗い、マスク着用、対人距離保持の相対リスク比がそれぞれ0.47、0.47、0.75と、コロナ発症率の減少と関連していました。
• 検疫・隔離、ロックダウン、国境・学校・職場の封鎖によるコロナ発症率低下の有無は研究の不均一性から評価困難でした。

以上のように、私たちの生活に染みついているマスク着用・手洗い・対人距離はきちんとコロナ発症率の低下に関係していることがわかりました。何か特別な対策をするよりも、こういった基本的な対策を今後も個人個人が意識して行うことは重要だと言えそうです。

参考：Effectiveness of public health measures in reducing the incidence of covid-19, SARS-CoV-2 transmission, and covid-19 mortality: systematic review and meta-analysis | The BMJ