10代前半の喫煙と将来の子どもの健康被害リスク
10/3/2023 10:00:05
その他
今日のポイント:父親の思春期初期の喫煙は将来の子どもの健康に悪影響を及ぼす
10代前半での男児の喫煙は、将来の子どものDNAにどのような影響を与えるのか調べました。英サウサンプトン大学からの報告です。(Clinical Epigenetics、2023年8月31日)

RHINESSA試験参加者875人(7〜50歳、男性457人、女性418人)を対象にエピゲノムワイド関連研究(EWAS)を実施してDNAメチル化パターンを調べ、参加者の母親が妊娠する前の父親の喫煙との関連を検討しました。参加者のうちの328人では、父親が母親の妊娠前(参加者の出生年より2年以上前)に喫煙を開始しており、うち64人では、父親の喫煙開始年齢が15歳未満でした。なお、DNA分子にメチル基が付加されるDNAメチル化は、DNAの配列を変更せずに遺伝子の機能を制御するプロセス(エピジェネティクス)の主要素であり、主に遺伝子の発現を抑制する役割を果たします。
- 15歳未満で喫煙を開始した父親の子どもでは、14種類の遺伝子にマッピングされた19カ所のCpGサイトでのメチル化が確認されました。
- また、これらのメチル化は、喘息、肥満、および喘鳴と関連していることも示されました。
- さらに、19種類のメチル化のうちの16種類は、過去の研究では母親や当人の喫煙歴とは関連付けられていないものでした。
以上より、10代前半での男児の喫煙は、将来の子どものDNAに悪影響を与え、子どもの喘息、肥満、肺機能低下のリスクを高めることがわかりました。
参考:Fathers’ preconception smoking and offspring DNA methylation | Clinical Epigenetics | Full Text (biomedcentral.com)
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