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コロナ流行と室内湿度の関係

12/13/2022 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:室内の相対湿度を40~60%に維持するとコロナ罹患率および死亡率が低下する
 

新型コロナウイルス感染症の感染率と室内湿度の関係を調べた面白い研究を紹介します。米国・マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究です。(Journal of the Royal Society Interface、11月16日)

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新型コロナウイルスのデータを、121ヵ国から取得した気象学的測定値と組み合わせて検討しました。人が快適と感じる温度を19〜25℃とされており、この温度に基づき、屋外の気温が19℃を下回ると暖房が使用され、室内の湿度が下がるものとして、室内の相対湿度を算出しました。

  • 戸外の湿度は1年を通じて50%程度ですが、室内の相対湿度はCOVID-19罹患者や死亡者の数が急増する気温の低い時期には、40%を下回る傾向にありました。
  • また、熱帯諸国では夏季に室内湿度が緩やかに上昇するが、60%を超えるとCOVID-19による死亡者数は増大しました。
  • COVID-19の罹患者数と死亡者数は、1年のどの時期であるかにかかわらず、地域の室内の相対湿度が40%より低い、または60%より高いときに増加する傾向が確認されました。
  • 一方、ほとんどの地域で、室内の相対湿度が40~60%のときには、感染者、死亡者ともに比較的少なくなりました。
  • なお、室内の湿度が新型コロナウイルスの病原性にこれほどの影響を及ぼす理由は明らかになっていませんが、追跡研究からは湿度が非常に低い場合や高い場合には、ウイルスが飛沫内で長く生き残る可能性のあることが示唆されました。

 
室内の空気が乾燥し過ぎても、逆に湿度が高過ぎても、新型コロナウイルスの感染率や、感染後の重症化および死亡のリスクが増大する可能性があるようです。


参考:Associations between indoor relative humidity and global COVID-19 outcomes | Journal of The Royal Society Interface (royalsocietypublishing.org)

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