ブースター接種で死亡リスク90%減少
1/23/2022 9:30:02
新型コロナ
今日のポイント:ブースター接種でCOVID-19による死亡リスクを90%低下させる
今回もコロナワクチン先進国になっているイスラエルからの最新の論文を紹介します。ブースター接種によるコロナ死亡率低下を支持する一つのデータになりそうです。(NEJM誌オンライン版2021年12月8日号より)
同国の半数以上が加入する健康保険データをもとに、2021年8月6日時点で50歳以上、かつ、少なくとも5ヶ月以上前にファイザー/ビオンテック社製の2回目ワクチンを受けた人を対象として、2021年9月29日までの間にブースター接種を受けた群と受けてない群についてCOVID-19による死亡率を検討しました。適格者数は84万3,208人で、そのうち約90%である75万8,118人が54日間の対象期間中にブースター接種を受けており、その対象者を評価しました。
- COVID-19による死亡例がブースター接種群で65例(0.16/10万人/日)、ブースター非接種群で137例(2.98/10万人/日)でした。(ハザード比0.10)
- サブグループ解析として、65歳以上と以下いずれの場合でも死亡リスクの低下が確認されました。(65歳以上:ブースター接種群470,808人中60人死亡、非接種群35,208人中123人、ハザード比0.09。65歳以下:ブースター接種群287,310人中5人死亡、非接種群49,882人中14人、ハザード比0.13)
- 副次評価項目として、コロナ感染率についてブースター接種群で2,888人、非接種群で11,108人がそれぞれコロナに感染し、ハザード比は0.17でした。
以上の結果より、ブースター接種により死亡リスクや感染リスクを有意に低下させることがわかります。
ただし、本研究は試験期間が54日間と比較的短いこと、重篤な有害事象に関するデータが不十分であること、ファイザー/ビオンテック社製のワクチンに限られていることなどが研究の限界として考えられています。
今後日本でもブースター接種が進み、日本からの最新データ発表も待ち望まれます。
参考:BNT162b2 Vaccine Booster and Mortality Due to Covid-19 | NEJM
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓