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アルコール摂取、喫煙と認知症リスク

8/17/2023 10:00:04

認知症

今日のポイント:多量のアルコール摂取と喫煙で認知症リスク増大
 

日本人中高年におけるアルコール摂取や喫煙と認知症リスクとの長期的な関連性を調査しました。新潟大学からの報告です。(Maturitas誌オンライン版、2023年6月14日号)

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8年間のフォローアップによるコホート研究を行いました。参加者は、40~74歳の地域在住の日本人1万3,802人とし、2011~13年に自己記入式アンケートを含むベースライン調査を実施しました。アウトカムは、介護保険データベースから収集した認知症発症、予測因子は、アルコール摂取量および喫煙としました。共変量は、人口統計、ライフスタイル要因、BMI、一般的な健康状態、脳卒中歴、糖尿病歴、うつ病歴としました。

  • 参加者の平均年齢は、59.0歳でした。
  • 1週間当たりのエタノール量が1~149g、150~299g、300~449gの群は、対照群と比較し、調整ハザード比(HR)が有意に低く、有意な線形関連性は認められませんでした。
  • 飲酒歴、健康状態が不良、病歴を有する人を除外した場合、HRは1に向かい増加が認められました(各々、HR:0.80、0.66、0.82)。
  • 喫煙レベルが高いほど、用量依存的にHRが高く(調整p for trend=0.0105)、1日当たり20本以上の喫煙群では、調整HRが有意に高くなりました(HR:1.80)。
  • 多量飲酒者(1週間当たりのエタノール量:449g以上)において、喫煙習慣のある人は認知症リスクが高くなりましたが(p for interaction=0.0046)、喫煙習慣のない人では影響が認められませんでした。

 
以上より、中程度までのアルコール摂取は認知症リスクが低下し、喫煙は用量依存的に認知症リスク増加との関連が認められ、また多量のアルコール摂取と喫煙との間に認知症リスクとの相互作用が確認されました。

 
参考:Alcohol consumption, smoking, and risk of dementia in community-dwelling Japanese people aged 40–74 years: The Murakami cohort study - Maturitas

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