日常会話頻度が低いと認知症になりやすい
10/5/2025 10:00:00
今日のポイント:日常会話頻度が低いと認知症リスクが高い
日常会話頻度と認知症リスクの関係を調査しました。国立がん研究センターからの報告です。(Archives of Gerontology and Geriatrics誌オンライン版、2025年8月5日号)

多目的コホート研究であるJPHC研究において2000~03年に日常会話頻度を報告した50~79歳の参加者について、認知症の発症を2006~16年の介護保険認定記録を用いて追跡しました。生活習慣や既往歴などの因子を調整したCox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定しました。また、居住形態(独居もしくは同居)と性別によるサブグループ解析を実施しました。
・3万5,488人中3,334人が認知症と診断されました。
・会話が「ほぼ毎日」の場合と比較した完全調整HRは、「多くの人と毎日」で0.80(95%CI:0.69~0.93)、「数人と毎日」で0.88(同:0.80~0.97)、「週1~4回」で1.18(同:1.06~1.31)、「月1~3回」で1.17(同:0.97~1.42)、「月1回未満」で2.06(同:1.49~2.85)でした(傾向のp<0.001)。
・この関連は居住形態で変わりませんでした。
・独居男性では、会話頻度が高い(「ほぼ毎日」以上)場合のHRが1.71(同:1.26~2.32)、会話頻度が低い(「週1~4回」以下)場合が2.60(同:1.71~3.95)とどちらもリスクが増加しましたが、独居女性ではリスク増加はみられませんでした。
以上より、会話頻度が低いと認知症リスクが高く、会話が月1回未満の場合は認知症リスクが2倍を超えることが示唆されました。
参考文献:
Frequency of daily conversation and risk of dementia: A population-based cohort study in Japan - ScienceDirect
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