title

コロナ入院患者とその後の死亡リスク

4/29/2025 10:00:05

新型コロナ

今日のポイント:新型コロナ入院患者、退院後も2年以上にわたり死亡リスクは高い

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院歴がある人のその後の死亡リスクについて調査しました。
パリ・ビシャ病院(フランス)からの報告です。(Infectious Diseases、2025年2月27日)

image

2020年1月1日から8月30日までの間にCOVID-19に罹患して入院したフランスの成人6万3,990人(平均年齢65歳、男性53.1%、COVID-19入院群)を追跡し、年齢、性別、居住地を一致させた、同時期にCOVID-19で入院していない対照群31万9,891人の健康状態と比較しました。追跡期間中央値は、COVID-19入院群で894日、対照群で896日でした。

・最長で30カ月間にわたる追跡期間中の10万人年当たりの累積全死亡率は、COVID-19入院群で5,218件であったのに対し、対照群では4,013件でした(発生率比1.30、95%信頼区間1.27〜1.33)。
・6カ月単位で分けて分析すると、COVID-19入院群の全死亡リスクは最初の6カ月間で最も高く(調整ハザード比2.93)、6〜12カ月後では低下し(同1.08)、その後は30カ月後まで大きく変化することはありませんでした(同1.07)。
・また、COVID-19入院群はあらゆる原因により再入院するリスクも高く、10万人年当たりの累積入院率は対照群の1万2,095件に対してCOVID-19入院群では1万6,334件でした(発生率比1.35、95%信頼区間1.33〜1.37)。
・6カ月単位で見ると、COVID-19入院群の再入院リスクは、最初の6カ月間で最も高く(全入院の調整部分分布ハザード比2.47)、6〜12カ月後の期間で低下し(同1.21)、その後、30カ月後まで低下し続けました(同1.05)。
・疾患別にCOVID-19入院群の再入院リスクを見ると、特に呼吸器疾患による再入院リスクが約2倍高くなりました(発生率比1.99)。
・また、糖尿病、慢性腎臓病、神経疾患、心血管疾患、精神疾患による再入院リスクも高くなりました。
・このような過剰リスクは、入院から6カ月(0〜6カ月)および6〜12カ月後では低下しましたが、24〜30カ月後では、神経疾患、呼吸器疾患、慢性腎不全、糖尿病による再入院リスクが統計学的に有意に上昇していました。

以上より、COVID-19で入院した患者は、初回の感染から最長で2年半の間、全死亡リスクの高いことが明らかになりました。


参考文献:
Full article: Long-term health outcomes following hospitalisation for COVID-19: a 30- month cohort analysis

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 病気ブログ 新型コロナウイルス感染症へにほんブログ村 病気ブログ がんへ