夜間の屋外照明と脳卒中の関係
6/9/2024 10:00:05
今日のポイント:夜間の屋外照明は脳卒中リスクを高める
夜間の屋外照明と脳卒中リスクの関係を調査しました。浙江大学(中国)からの報告です。(Stroke、2024年3月25日号)
中国の東海岸の主要な港湾都市で工業都市でもある寧波(人口約820万人)に住む2万8,302人の成人(平均年齢61.51±11.02歳)のデータを分析し、夜間の人工光への曝露と脳血管疾患との関連を検討しました。脳血管疾患には、動脈に血栓が詰まって脳への血流が阻害されることで生じる脳卒中〔虚血性脳卒中(脳梗塞)〕や脳の動脈の出血による脳卒中(出血性脳卒中)があります。夜間の人工光への曝露量と大気汚染を、光害をマッピングした衛星画像を用いて評価し、それぞれ4群に分類しました。
・2015年から2021年までの6年間の追跡期間中に1,278件の脳血管疾患(虚血性脳卒中777件、出血性脳卒中133件)が発生しました。
・解析の結果、夜間の人工光の曝露量が最も多い群では最も少ない群に比べて、脳血管疾患のリスクが43%高いことが示されました。
・また、大気中の粒子状物質(燃料の燃焼、粉塵、煙など)であるPM2.5やPM10、自動車や発電所などから排出される窒素酸化物の曝露量が最も多い群では最も低い群に比べて脳血管疾患のリスクがそれぞれ41%、50%、31%高いことも判明しました。
以上より、夜間の屋外照明は脳卒中のリスクを高める可能性が示唆されました。
参考文献:Outdoor Light at Night, Air Pollution, and Risk of Cerebrovascular Disease: A Cohort Study in China | Stroke (ahajournals.org)
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