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睡眠のとり方と死亡リスク

11/9/2023 10:00:05

その他

今日のポイント:睡眠の規則性は死亡リスクとより関係あり


睡眠の規則性と死亡リスクの関係を調べた研究を紹介します。オーストラリア・Monash Universityからの報告です。(Sleep誌オンライン版、2023年9月21日号)

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UKバイオバンクに登録された40~69歳のうち、手首に加速度センサーを7日間装着し、データが取得できた6万977人が対象となりました。睡眠時間と睡眠の規則性は加速度センサーのデータを基に推定しました。対象を睡眠時間と睡眠の規則性でそれぞれ五分位に分類し、第1五分位群(0~20パーセンタイル)に対する第2~5五分位群(20~40、40~60、60~80、80~100パーセンタイル)の全死亡、原因別死亡(がん、心代謝性疾患、その他)のリスクを検討しました。Cox比例ハザードモデルを用い、最小限の調整をしたモデル(年齢、性別、民族で調整)と完全調整モデル(最小限の調整をしたモデルに身体活動レベルなどの10因子を追加して調整)の2つのモデルで解析しました。
 
・本研究の対象となった6万977人の平均年齢は62.8歳、平均睡眠時間は6.77時間、平均追跡期間は6.30年でした。
・追跡期間中の死亡数は1,859人でした(1,000人年当たり4.3人)。
・睡眠の規則性の第2~5五分位群は、最小限の調整をしたモデルおよび完全調整モデルのすべての群で全死亡リスクが有意に低下しました(20~48%低下)。
・同様に、がん死亡リスク(16~39%低下)、心代謝性疾患による死亡リスク(22~57%低下)もすべての群で有意に低下し、その他の原因による死亡リスクも完全調整モデルの第2五分位群を除くすべての群で有意に低下しました。
・睡眠時間の第2~5五分位群も、同様にすべての群で全死亡リスクが有意に低下したが(18~31%低下)、がん死亡リスクとの関連はいずれの群でも認められませんでした。
・赤池情報量基準(AIC)に基づくモデル比較において、睡眠の規則性は睡眠時間よりも全死亡リスクの強い予測因子でした。
 
以上より、睡眠時間と睡眠の規則性はいずれも全死亡リスクの予測因子であることが示されましたが、睡眠の規則性のほうがより強い予測因子であることがわかりました。


参考:Sleep regularity is a stronger predictor of mortality risk than sleep duration: A prospective cohort study | SLEEP | Oxford Academic (oup.com)

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