乳製品と死亡リスク減少
1/26/2025 10:00:00
今日のポイント:男女ともにヨーグルトの摂取量が多いほど全死因死亡リスクが低い
日本人における乳製品摂取と死亡リスクとの関連を調査しました。慶應義塾大学からの報告です。(Journal of Atherosclerosis and Thrombosis誌オンライン版、2024年11月13日)。

これまでの研究において、日本人集団における乳製品摂取と死亡リスクとの関連は、研究間で、とくに男女間で一貫していません。そこで研究グループは、日本多施設共同コホート研究(J-MICC Study)の追跡データを用いて、乳製品摂取と全死因死亡やがん死亡、心血管疾患死亡との関連を調べました。
解析対象は、がんや循環器疾患の既往歴がなく、乳製品摂取情報がある7万9,715人(女性57.2%、平均年齢54.7歳)であった、乳製品の摂取量は、検証済みの食物摂取頻度調査票を使用して聴取しました。潜在的交絡因子および食事因子を調整し、Cox比例ハザードモデルを用いて、乳製品摂取量で三分位に分けて死亡率のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定しました。
●乳製品総摂取量の中央値は、男性が34.6g/1,000kcal(66.0g/日)、女性が79.7g/1,000kcal(127.5g/日)でした。
●追跡期間中央値12.4年(93万2,738人年)で3,723例が死亡し、そのうちがんによる死亡が2,088例、心血管疾患による死亡が530例でした。
●男性では、ヨーグルトの摂取量がもっとも多い群では、もっとも少ない群よりも全死因死亡リスクが低くなりました(HR:0.90、95%CI:0.82~0.999、傾向のp=0.034)。
●女性では、乳製品の総摂取量と全死因死亡リスク、牛乳摂取量と全死因死亡リスクおよびがん死亡リスク、ヨーグルト摂取量と全死因死亡リスクおよび心血管疾患死亡リスクとの間にも逆相関が観察されました。
・乳製品摂取による全死因死亡のHR:0.81、95%CI:0.70~0.92、傾向のp=0.001
・牛乳摂取による全死因死亡のHR:0.84、95%CI:0.73~0.95、傾向のp=0.007
・牛乳摂取によるがん死亡のHR:0.82、95%CI:0.69~0.99、傾向のp=0.034
・ヨーグルト摂取による全死因死亡のHR:0.87、95%CI:0.76~0.997、傾向のp=0.046
・ヨーグルト摂取による心血管疾患死亡のHR:0.64、95%CI:0.46~0.90、傾向のp=0.007
以上より、男女ともにヨーグルトの摂取量が多いほど全死因死亡リスクが低く、女性ではさらに乳製品全般および牛乳摂取と全死因死亡リスク、牛乳摂取とがん死亡リスク、ヨーグルト摂取と心血管疾患死亡リスクの低下が関連していたことがわかりました。
参考文献:
Dairy Intake and All-Cause, Cancer, and Cardiovascular Disease Mortality Risk in A Large Japanese Population: A 12-Year Follow-Up of the J-MICC Study
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓