家族の認知症と子供の認知症の関係
6/11/2023 10:00:04
今日のポイント:母親の認知症歴は子供の認知症およびアルツハイマー病(AD)リスク上昇の可能性
韓国・Sungkyunkwan University School of Medicineより、両親の認知症歴と子供の認知症リスクに関して調査を行いました。(Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版、2023年5月10日号)
8ヵ国、9件の人口ベースコホート研究より抽出された高齢者1万7,194人のデータを用いて、横断的研究を実施しました。対象研究では認知症の診断のため対面診断、身体検査、神経学的検査、神経心理学的評価が実施されました。父親および母親の認知症歴と子供の認知症、認知症サブタイプのリスクとの関連を評価しました。
- 対象者の平均年齢は72.8±7.9歳、女性の割合は59.2%でした。
- 両親の認知症歴は、認知症およびADリスク上昇と関連が認められましたが、非ADリスクとの関連は認められませんでした。
【認知症】オッズ比(OR):1.47、95%信頼区間(CI):1.15~1.86
【AD】OR:1.72、95%CI:1.31~2.26
- 母親の認知症歴は、子供の認知症およびADリスクとの関連が認められましたが、父親では認められませんでした。
【認知症】OR:1.51、95%CI:1.15~1.97
【AD】OR:1.80、95%CI:1.33~2.43
- 子供の性別に分けた分析でも、同様の結果が認められました。
【男性】OR:2.14、95%CI:1.28~3.55
【女性】OR:1.68、95%CI:1.16~2.44
以上より、母親の認知症歴は男女ともに子供の認知症およびアルツハイマー病(AD)リスク上昇の可能性があります。
参考:Parental history of dementia and the risk of dementia: A cross‐sectional analysis of a global collaborative study - Oh - Psychiatry and Clinical Neurosciences - Wiley Online Library
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