重症アナフィラキシー、最もリスクの高い食品は〇〇
8/31/2025 10:00:05
今日のポイント:重症例全体で頻度の高い誘因は、ピーナッツ
食物誘発性アナフィラキシーの重症例をもとにリスクの高い食品を調査しました。フランス・ルーベ病院センターからの報告です。(Clinical and Experimental Allergy誌、2025年7月号)

「フランス語圏アレルギー警戒ネットワーク(Allergy-Vigilance Network)」で2002~21年に記録された食物アナフィラキシー症例を後ろ向きに解析し、Ring-Messmer分類による致命的な症例(Grade4)と重篤な症例(Grade3)と比較し、重症度が高いことに関連するリスク要因を特定しました。
・報告された2,621件の食物アナフィラキシー症例のうち、重症と判断された731件(Grade3:687件[94%]、Grade4:44件[6%])に死亡19件を加えた750件を解析対象としました。
・全体の56.1%が成人(平均年齢28.3歳)、53.7%が男性でした。
・重症例全体で頻度の高い誘因は、ピーナッツ(13.9%)、小麦(9.4%)、カシューナッツ(5.8%)、エビ(5.4%)、牛乳(4.8%)でした。
・Grade4のアナフィラキシー症例は、成人よりも小児(18歳未満)に多く発生しました(18例対26例)。
・Grade4の症例はGrade3の症例と比較して、原因食物に対するアレルギー歴あり(71.1%vs.42.1%)、喘息診断あり(59.5%対30.4%)、原因食物がピーナッツ(34.1%対12.6%)である割合が高くなりました。
・Grade4のアナフィラキシーを予測する因子は、喘息診断あり(オッズ比[OR]:3.41、95%信頼区間[CI]:1.56~7.44)、原因食物がピーナッツ(OR:3.46、95%CI:1.28~9.34)でした。
以上より、重症食物アナフィラキシーのリスク因子、とくに喘息の既往歴と原因食物としてのピーナッツを特定しました。
参考文献:
Risk Factors for Fatal and Near‐Fatal Food Anaphylaxis: Analysis of the Allergy‐Vigilance Network Database - Pouessel - 2025 - Clinical & Experimental Allergy - Wiley Online Library
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