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食物繊維と肥満リスク低下

5/13/2025 10:00:04

その他

今日のポイント:食物繊維の摂取で肥満リスクが低下か

2型糖尿病患者の食物繊維の摂取量と肥満リスク低下の関係を調査しました。新潟大学からの報告です。(Public Health Nutrition、2025年2月4日)

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本横断研究では、一般社団法人糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)のデータが用いられました。対象は、2014年12月~2019年12月の期間に、JDDMに参加する日本の糖尿病専門医クリニックで治療を受けた30~89歳までの外来患者としました。解析対象は1,565名(平均年齢62.3±11.6歳、男性63.1%)でした。

参加クリニックでは、希望する外来患者に対して、JDDMの開発した生活習慣に関するアンケートを実施しました。患者は身長・体重を自己申告し、食習慣については、それぞれ食物摂取頻度調査票(FFQ)に記入してもらいました。栄養素および食品の摂取量は標準化された栄養計算ソフトウェアで計算し、1日当たりの摂取量が600kcal以下または4,000kcal以上の場合は外れ値として解析から除外しました。身体活動は国際標準化身体活動質問表(IPAQ)の短縮版を用いて計算しました。肥満の定義は日本肥満学会に従い、BMIが25kg/m2以上としました。

・性別・年齢およびライフスタイル要因、主要栄養素の摂取量を調整した多変量解析を行った結果、全患者において食物繊維の摂取量が多いほど肥満リスクが低下することが明らかになりました(オッズ比OR 0.591〔95%信頼区間0.439~0.795〕、P trend=0.002)。
・層別解析では、男性(P trend=0.002)および59~68歳群(P trend=0.038)で有意な逆相関の傾向が認められ、69~89歳群(P trend=0.057)でも有意傾向がみられました。
・一方で女性(P trend=0.338)および30~58歳群(P trend=0.366)では逆相関の傾向は認められませんでした。
・また、男性では食物繊維の摂取量が多いほど、ライフスタイルが健康的であることも分かりました。
・その特徴として、身体活動レベルが高いこと(p<0.001)や、喫煙率の低さ(p<0.001)が挙げられました。
・食物繊維摂取量と食品群との相関関係をみると、全患者において、野菜、果物、大豆/大豆製品が強い相関を示しましたが、穀物は弱い相関を示しました。
・ビタミンおよびミネラルの場合は、葉酸、カリウム、ビタミンCなどが食物繊維の摂取量と強い相関を示していました。

以上より、2型糖尿病患者で、食物繊維の摂取量が多いほど肥満リスクが低下することが明らかになりました。


参考文献:
Demographic and dietary determinants of the association between dietary fibre intake and obesity in Japanese adults with type 2 diabetes: a cross-sectional study (JDDM 78) | Public Health Nutrition | Cambridge Core

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