喫煙による咽頭がんリスク〇倍

今日のポイント：喫煙による咽頭がんリスクは9倍以上

頭頸部がんと飲酒、喫煙、食習慣との関連を調査しました。米国・ワシントン大学からの報告です。（JAMA Otolaryngology誌オンライン版、2024年2月8日）

前立腺がん、肺がん、大腸がんおよび卵巣がん検診に関する臨床試験参加者のコホート解析を行いました。参加者は55～74歳、1993年11月～2001年7月に全米10施設で募集されました。頭頸部がんを発症した参加者は、喫煙、飲酒、食習慣解析のため、人口統計学および頭頸部がん家族歴に加え、喫煙状況および喫煙期間に基づいて対照群とマッチングされました。データ解析は2023年1～11月に行いました。
 
・計13万9,926例（女性51％、平均年齢62.6[SD 5.4]歳）が解析の対象となりました。追跡期間中央値12.1（四分位範囲[IQR]：10.3～13.6）年に571例が頭頸部がんを発症しました。
・喫煙に関連した頭頸部がんのリスクはがんの部位が肺に近いほど増加し、リスクが最大だったのは喉頭がんでした（現在喫煙者の非喫煙者と比較したハザード比[HR]：9.36、95％信頼区間[CI]：5.78～15.15）。
・飲酒と食習慣の解析には、喫煙解析例のうち9万4,466例が含まれ、追跡期間中央値12.2（IQR：10.5～13.6）年で264例が頭頸部がんを発症しました。
・頭頸部がんリスクは大量飲酒で増加（HR：1.85、95％CI：1.44～2.38）した一方で、全粒穀物の摂取（1オンス/日、HR：0.78、95％CI：0.64～0.94）、果物の摂取（1カップ/日、HR：0.90、95％CI：0.82～0.98）、Healthy Eating Index 2015でスコア化した健康的な食事の摂取（10ポイント、HR：0.87、95％CI：0.78～0.98）で減少しました。
 
以上より、喫煙に関連する頭頸部がんのリスクは、肺に近い部位ほど大きくなり、喉頭がんでは最大9倍以上になりました。
 

参考：Smoking, Drinking, and Dietary Risk Factors for Head and Neck Cancer in Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian Cancer Screening Trial Participants | Diet | JAMA Otolaryngology–Head & Neck Surgery | JAMA Network