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尿酸値と日本酒

4/13/2023 10:00:03

その他

今日のポイント:日本酒は尿酸値を上げにくい可能性


聖路加国際病院より、日本人7万8,153人の健康診断データを用いて尿酸値上昇とアルコールの種類を比較する研究が報告されました。(JAMA Network Open誌、2023年3月17日号)

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2012年10月1日~2021年10月31日に聖路加国際大学で健康診断を実施した20歳以上の参加者を対象とした横断研究で、ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーの摂取量をエタノール含有量で統一し、血清尿酸値との関連を評価しました。血清尿酸値は健康診断時に測定しました。エタノール20gを含む各アルコール飲料を基準飲酒単位(ビール500mL、日本酒167mL、焼酎100mL、ワイン208mL、ウイスキー62.5mL)としました。

  • 本研究には計7万8,153人が参加し、平均年齢は47.6歳(標準偏差:12.8歳)、男性が3万6,463人(46.7%)、習慣飲酒者は4万5,755人(58.5%)でした。
  • 主にビールを飲んでいる群では、男女とも一貫して血清尿酸値がアルコール摂取量に関連しており、1日1単位摂取におけるβ係数は、男性で0.14mg/dL(95%信頼区間:0.11~0.17mg/dL、p<0.001)、女性で0.23mg/dL(同:0.20~0.26mg/dL、p<0.001)でした。
  • 主に日本酒を飲んでいる群では、血清尿酸値はわずかに上昇したが有意ではなく、β係数は、男性で0.05mg/dL(同:-0.01~0.10、p=0.10)、女性で0.04mg/dL(同:-0.05~0.14、p=0.38)でした。
  • 主に焼酎を飲んでいる群では、血清尿酸値が中程度上昇し、β係数は、男性で0.05mg/dL(同:0.03~0.08、p<0.001)、女性で0.11mg/dL(同:0.07~0.16、p<0.001)でした。
  • 主にワインを飲んでいる群では、血清尿酸値が中程度上昇し、β係数は、男性で0.12mg/dL(同:0.06~0.17、p<0.001)、女性で0.12mg/dL(同:0.08~0.16、p<0.001)でした。
  • 主にウイスキーを飲んでいる群では、男性のβ係数は0.18mg/dL(同:0.10~0.27、p<0.001)と高かったが、女性で0.06mg/dL(同:-0.05~0.16、p=0.27)でした。

 
 本結果から、エタノール含有量を統一した場合も飲酒と血清尿酸値の関連の程度がアルコール飲料によって異なり、男女ともビールが一貫して高い血清尿酸値と関連し、日本酒は血清尿酸値の変化と関連していませんでした。


参考:Differences in the Association Between Alcoholic Beverage Type and Serum Urate Levels Using Standardized Ethanol Content - PMC (nih.gov)

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