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日本人の食事パターンと脳萎縮

4/21/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:伝統的な日本食を摂取する女性は脳萎縮が少ない

日本人における食事パターンと脳容積の変化の関連を調査しました。国立長寿医療研究センターからの報告です。(Nutrition Journal誌、2024年3月12日)

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国立長寿医療研究センターの長期縦断疫学研究プロジェクトの第6次調査(2008年7月~2010年7月:ベースライン)から第7次調査(2010年7月~2012年7月:フォローアップ)までの2年間の追跡データを解析しました。食事摂取量は3日間の食事記録を用いて評価し、全灰白質、全白質、前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉、島葉の長期的な容積変化(%)をMRI 3D-T1強調画像で評価しました。多因子分析と階層的クラスタリングにより、性特異的な食事パターンが明らかになり、食事パターンと年間脳容積変化(%)との関連について、年齢、アポ蛋白E遺伝子型、肥満度、病歴、生活習慣、社会経済的因子、エネルギー摂取量で調整した一般線形モデルを用いて評価しました。
 
・参加者1,636人(40.3~89.2歳)において、男性(815人)では「西洋食」「野菜・果物・乳製品の食事」「伝統的日本食」、女性(821人)では「西洋食」「穀物・野菜・果物の食事」「伝統的日本食」のそれぞれ3つの食事パターンに分類されました。
・伝統的日本食を摂取している女性では、西洋食を摂取している女性より全灰白質の萎縮が少なくなりました。
・全灰白質の年間変化率(%)の多変量調整後のβは-0.145(95%信頼区間:-0.287~-0.002、p=0.047)で、頭頂葉萎縮の減少と相関しました。
・男性では食事パターンと脳萎縮の関連は認められませんでした。
 
以上より、伝統的日本食を摂取する女性は、西洋食を摂取する女性より全灰白質の萎縮が少ないことが示唆された一方で、男性は相関しませんでした。
 

参考:Associations of dietary patterns and longitudinal brain-volume change in Japanese community-dwelling adults: results from the national institute for longevity sciences-longitudinal study of aging | Nutrition Journal | Full Text (biomedcentral.com)

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