統合失調症患者における遺伝と性差
2/26/2026 10:00:04
親が統合失調症の場合、世代を超えてメンタルヘルスリスクに影響を及ぼす可能性があります。今回は、中国における統合失調症患者の子供における、親が報告した伝播率と家族性のリスク因子を調査しました。中国・北京大学からの報告です。(The Lancet Regional Health誌、2025年12月号)
統合失調症患者2万7,315例とその子供3万5,772例を対象に横断研究を実施しました。子供の精神疾患の診断は、親が報告し、その後、医療管理システムを通じて確認しました。年齢と性別で標準化した伝播率は、2020年の中国国勢調査を参照しました。ロバストポアソン回帰分析により、調整伝播率比(aRR)を算出しました。多変量ロジスティックモデルを用いて、若年子孫のリスク因子を特定しました。
・親が報告した子供における伝播率は2.68%(95%信頼区間[CI]:2.52〜2.85)であり、統合失調症スペクトラム障害(1.42%)が大部分を占めました。
・人口統計学的標準化後の標準化率は2.53%(95%CI:2.01〜3.05)でした。
・親の疾患発症後に妊娠した場合では、子供のリスクが86.0%増加することが示されました。
・リスク上昇と有意な関連が認められた因子は、第1子(aRR:1.67)、低所得世帯(aRR:1.43)、男児(aRR:1.14)でした。
・親の年齢の影響も性別特異性が認められました。
・未成年(17歳未満)の子供を対象としたサブグループ解析では、母子間での影響は、親の発症後の出産(オッズ比[OR]:2.48、p<0.001)、世帯収入の低さ(OR:2.32、p<0.001)、出生前の抗精神病薬の使用(OR:1.69、p<0.001)と関連が認められました。
・父子間での影響は、父親のみによる養育(OR:2.15、p<0.001)、世帯収入の低さ(OR:1.97、p<0.001)、男児(OR:1.79、p=0.001)と関連していました。
・両親による養育は、母子および父子の統合失調症群の両方において、強力な保護効果であることが示唆されました(OR:0.75、95%CI:0.51〜1.10)。
以上より、統合失調症患者の遺伝と性差におけるリスク上昇と有意な関連が認められた因子は、第1子、低所得世帯、男児であることが示唆されました。
参考文献:
Sex-differences in the intergenerational transmission of mental disorders among schizophrenia probands: familial risk and protective factors in a population-based study - The Lancet Regional Health – Western Pacific
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