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N95 マスク vs.サージカルマスク

1/22/2023 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:非劣勢ではあるものの、N95 マスクのコロナ発症予防効果の方が高い傾向にある
 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に接する医療者のマスクの種類によるCOVID-19 予防効果を調査しました。カナダ・マックマスター大学からの報告です。(Annals of Internal Medicine 誌オンライン版、2022 年 11 月 29 日)

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本研究はカナダ17施設、イスラエル2施設、パキスタン4施設、エジプト6施設の計29施設において、2020年5月4日~2022年3月29日に行われました。対象は、COVID-19疑いまたは確定の患者に日常的に医療を提供する1,009名の医療者で、業務中にサージカルマスクとN95マスクを着用する群にランダムに1:1に割り当て、10週間着用しました。主要評価項目は、RT-PCR検査によるCOVID-19確定としました。

  • intention-to-treat解析の結果、COVID-19を発症したのは、サージカルマスク群では10.46%(52/497例)、N95マスク群では9.27%(47/507例)でした(ハザード比[HR]:1.14、95%信頼区間[CI]:0.77~1.69)。
  • 国別のサブグループ解析によるCOVID-19の発症率は、以下の通りでした。

 -カナダ(計266例):サージカルマスク群6.11%、N95マスク群2.22%(HR:2.83、95%CI:0.75~10.72
 -イスラエル(計34例):サージカルマスク群35.29%、N95マスク群23.53%(HR:1.54、95%CI:0.43~5.49)
 -パキスタン(計186例):サージカルマスク群3.26%、N95マスク群2.13%(HR:1.50、95%CI:0.25~8.98
 -エジプト(計518例):サージカルマスク群13.62%、N95マスク群14.56%(HR:0.95、95%CI:0.60~1.50

  • マスク着用による不快感、皮膚刺激、頭痛を訴えたのは、サージカルマスク群で10.8%、N95マスク群で13.6%であった。

 
サージカルマスクN95マスクと比較して非劣性であるものの、N95マスクの方が予防効果としてはやや高い傾向にありました。


参考:Medical Masks Versus N95 Respirators for Preventing COVID-19 Among Health Care Workers: A Randomized Trial: Annals of Internal Medicine: Vol 175, No 12 (acpjournals.org)

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