気圧変化と片頭痛
11/25/2025 10:00:04
今日のポイント
→気圧変化の大きい季節と片頭痛発症との間に有意な関連は認められない
気圧変化の大きい季節が片頭痛発症に及ぼす影響を調査しました。獨協医科大学からの報告です。(Frontiers in Neurology誌、2025年9月10日号)
本研究では、JMDC請求データと日本の気象データを用いて分析しました。片頭痛の診断歴を有する患者を対象とし、片頭痛と最初に診断された医療機関の所在地に基づいて8つの地域サブグループに分類しました。片頭痛発症までの期間(各季節の初日からトリプタンが処方されるまでの期間と定義)を、気圧変化が最も大きい季節と最も小さい季節で比較しました。
・分析対象は、2万6,777例でした。
・8つの地域全体において、夏季の気圧変化が最も小さくなりました。
・一方、7つの地域では冬季に最も大きな気圧変化がみられ、1つの地域では秋季に最も大きな気圧変化がみられました。
・いずれの地域においても、気圧変化が最も大きかった季節と最も小さかった季節の間で生存曲線に差は認められませんでした。
・Cox回帰分析では、性別と年齢を含む最小調整モデルにおいて、気圧変化が最も大きかった季節のハザード比は0.970(95%信頼区間[CI]:0.951〜0.989)でした。
・一方、8つの共変量を含む完全調整モデルでは、気圧変化が最も大きかった季節のハザード比は1.294(95%CI:1.007〜1.663)でした。
以上より、気圧変化の大きい季節と片頭痛発症との間に有意な関連は認められませんでした。
参考文献:
Association between seasons with substantial atmospheric pressure change and migraine occurrence: a retrospective cohort study using Japanese claims data and meteorological data - PMC
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