ポジティブ思考でうつ病リスク軽減
8/3/2023 10:00:04
メンタルヘルス
今日のポイント:ポジティブ空想でうつ病リスク低減へ
反復的なネガティブ思考はうつ病の発症や持続のリスクと関連していますが、ポジティブ思考は逆にリスク低減へつながるのでしょうか。オランダ・フローニンゲン大学からの報告です。(Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry誌オンライン版、2023年6月16日号)
対象は、ネガティブ思考およびうつ病に対する脆弱性が高い群42例、低い群40例。クロスオーバーデザインにて、ポジティブ空想1セッション、ストレス誘発1セッションの後、持続的注意課題(SART)を行いました。介入前後の感情状態を測定しました。
- ストレス誘発セッション後は、ネガティブ思考が増加しましたが、ポジティブ空想セッション後は、ポジティブ思考が増加し、ネガティブ思考が減少しました。
- ポジティブ空想セッション後は、ストレス誘発セッション後と比較し、仕事以外の思考、過去に関連した思考、ネガティブ思考が減少しました。
- ネガティブ思考を受け入れやすい人は、ストレスが少ない人と比較し、ポジティブ空想セッション後よりもストレス誘発セッション後に、タスク外の思考をより多く示しました。
- 本研究の限界として、ベースライン測定が含まれていない点、SARTに自身の懸念事項を含めるとネガティブ要素につながる可能性がある点が挙げられます。
以上より、うつ病に対する脆弱性の根底にあるストレス誘発性のネガティブ思考は、ポジティブ空想により部分的に改善できる可能性があり、うつ病だけでなく不適応思考の特徴を有する疾患の治療に役立つ可能性があることが示されました。
参考:The impact of mood-induction on maladaptive thinking in the vulnerability for depression - ScienceDirect
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