猫→ヒトへのコロナ感染？！

今日のポイント：猫‐ヒトなど異種間の伝播にも注意！
 

今回はタイで実際に確認された猫から人へのコロナ感染の報告を見てみましょう。ヒト‐ヒト感染だけではなく、異種間での感染伝播にも注意する必要がありそうです。以下内容です。(CDC Emerging Infectious Diseases、7月号掲載)

タイ、バンコク在住の64歳父と32歳息子の親子にコロナ陽性が確認され、親子は救急搬送となり、その間も飼いネコは同じベッドで寝ていました。動物病院に預けられたこのネコを2人の獣医師が押さえ付け、別の獣医師が検体を採取しました。その際、ネコがこの獣医師の顔に向かってくしゃみをし、3人の獣医師はいずれも手袋とマスクを着用していましたが、フェイスシールドとゴーグルは着用していませんでした。その3日後、検体を採取した獣医師に症状が現れ、この獣医師とネコの双方で新型コロナウイルス感染が判明しました。残り2人の獣医師はウイルス陰性でした。3人の陽性患者とネコのコロナウイルスの全ゲノムシーケンシングの結果、4者のゲノム配列は同一でした。

内容は以上になりますが、どのような生物間で伝播されるのかということはこれから症例報告などを積み重ねてわかると思いますが、ヒト‐ヒト以外にも今後は注意する必要があるかもしれませんね。今後も異種間での症例報告があれば順次お知らせしようと思います。

  
参考：Suspected Cat-to-Human Transmission of SARS-CoV-2, Thailand, July–September 2021 - Volume 28, Number 7—July 2022 - Emerging Infectious Diseases journal - CDC