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心筋炎ってなに?

11/18/2021 9:30:03

新型コロナ

今日のポイント:心筋炎は一般的な風邪などの後にきわめて稀に発症する疾患です。 


 大事に至ることは少ないですが、ごく一部の方は重症化することがあります。 
心筋炎とは、特に基礎疾患のない健康な方でも突然起こり得る心臓(心筋)の炎症のことを指します。原因はウイルス性であることが多く、特にコクサッキーB群ウイルスによるものが多いとされていますが、それ以外の一般的なウイルスや細菌、膠原病(強皮症や全身性エリテマトーデスなど)が原因となることもあります。すべてのウイルス性疾患などで心筋炎になるわけではなく、割合としてはごく稀です。過度に心配になる必要はありません。また、こういった特定の人が心筋炎になりやすいという傾向も現在のところ明らかでありません。 

 風邪症状の後から胸の違和感や痛み、息切れなどの自覚症状として出現するのが典型的ですが、自覚症状のない場合もあります。全くの無症状で自然に治る人もいれば緊急で入院しなければならない人まで実に様々です。いつもよりも長引く風邪症状やいつもと違う呼吸のつらさ、胸の違和感などがある場合は医療機関を受診してください。 

 心筋炎はなかなか確定診断をつけることが難しいとされています。これは心筋炎にだけ使える特別な採血項目や心電図変化、心エコー像が無いためです。仮に心臓カテーテル検査(心筋細胞を採取する)などを組み合わせて確定診断を付けられたとしても、原因の大半であるウイルス性であれば特効薬があるわけではないので、重症化しないように全身状態の管理をすることが中心になります。細菌性や膠原病などの影響だとはっきりわかる場合には、その根本原因の治療が中心になります。 

 心不全や不整脈などの症状が出現している場合には、それぞれの症状に合わせて適切に入院治療をすることが必要となります。利尿薬や抗不整脈薬などを服用し、適宜症状に対応していきます。重症の場合は心肺補助装置やペースメーカーを使用する場合もあります。 

 もし「あれ?」と心配に思ったら、一度近くの循環器内科などの医療機関を受診してください。患者さんの状態に応じて、各医療機関で適切な対応をしてくれます。安心して近くの医療機関を受診してください。 

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