喫煙と脱毛
3/12/2024 10:00:05
今日のポイント:喫煙は男性型脱毛症の発症および悪化リスク因子
喫煙と男性型脱毛症(AGA)の発症および悪化の関係を調べました。カナダ・Mediprobe Researchからの報告です。(Journal of cosmetic dermatology誌オンライン版、2024 年1月4日)
2023年8月4日、PubMedで「hair loss(脱毛)、alopecia(脱毛症)、bald(頭髪のない)、androgenetic alopecia(男性型脱毛症)」「tobacco(タバコ)、nicotine(ニコチン)、tobacco smoking(喫煙)」の用語で当てはまる研究を検索、その結果2003~21年に発表された8件の研究が同定されました。全研究が観察研究で、症例対照または横断研究であり、対象は男性の現在喫煙者と過去に喫煙経験がある人でした。得られたデータから、男性AGAの発症と重症化(軽度:ステージI-IIIから重度:ステージIV-VII)における喫煙状態(喫煙vs.非喫煙)と喫煙強度(喫煙減少vs.喫煙増加)の影響についてメタ解析を行い、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出しました。
・喫煙経験のある男性は喫煙経験のない男性に比べ、AGAを発症する率が有意に高くなりました(OR:1.82、95%CI:1.55~2.14)。
・1日10本以上喫煙する男性は、1日10本未満の喫煙する男性に比べ、AGA発症する率が有意に高くなりました(OR:1.96、95%CI:1.17~3.29)。
・AGA男性では、喫煙経験のある男性は喫煙経験のない男性に比べ、疾患進行のオッズが有意に高くなりました(OR:1.27、95%CI:1.01~1.60)。
・喫煙強度と疾患進行の間には有意な関連は認められませんでした。
以上より、喫煙と男性型脱毛症の発症や悪化リスクが示唆されました。
参考:A meta‐analysis study on the association between smoking and male pattern hair loss - Gupta - Journal of Cosmetic Dermatology - Wiley Online Library
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