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枕の高さと脳卒中

2/29/2024 3:00:07

その他

今日のポイント:高い枕の使用は特発性椎骨動脈解離と関連あり


枕の高さと脳卒中の関係を調査しました。国立循環器病研究センターからの報告です。(European Stroke Journal誌オンライン版、2024年1月29日)

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 国立循環器病研究センターにおいて2018~23年に特発性椎骨動脈解離と診断された症例群と、同時期に入院した年齢と性別をマッチさせた脳動脈解離以外の対照群を設定し、発症時に使用していた枕の高さを調べました。枕の高さが12cm以上を高値、15cm以上を極端な高値としました。単変量ロジスティック回帰により、特発性椎骨動脈解離発症における高い枕の使用のオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算定しました。さらに、高い枕(12cm以上)を使用し起床時に発症した先行受傷機転のない患者を「高い枕の使用に起因する特発性椎骨動脈解離患者」と定義し、その割合を調べました。
 
・症例群53例と対照群53例(女性:42%、年齢中央値:49歳)を同定しました。
・高い枕の使用は症例群が対照群より多く、12cm以上の枕では34% vs.15%(OR:2.89、95%CI:1.13~7.43)、15cm以上の枕では17% vs.1.9%(OR:10.6、95%CI:1.30~87.3)で、高い枕の使用と特発性椎骨動脈解離の発症に関連が認められました。
・この関連は枕が硬いほど顕著で、柔らかい枕では緩和されました。
・高い枕の使用に起因する特発性椎骨動脈解離患者は、12cm以上の枕で11.3%(95%CI:2.7~19.8)、15cm以上の枕で9.4%(95%CI:1.5~17.3)にみられました。
 
以上より、高い枕の使用は特発性椎骨動脈解離発症と関連があり、特発性椎骨動脈解離の約10%が高い枕の使用に起因しうることが示唆されました。
 

参考:High pillow and spontaneous vertebral artery dissection: A case-control study implicating “Shogun pillow syndrome” - Shuhei Egashira, Tomotaka Tanaka, Takayuki Yamashiro, Satoshi Saito, Soichiro Abe, Takeshi Yoshimoto, Kazuki Fukuma, Hiroyuki Ishiyama, Eriko Yamaguchi, Yorito Hattori, Soshiro Ogata, Kunihiro Nishimura, Masatoshi Koga, Kazunori Toyoda, Stéphanie Debette, Masafumi Ihara, 2024 (sagepub.com)

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