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腰痛と生活習慣

3/18/2025 10:00:05

その他

今日のポイント:

腰痛患者に日常生活指導を行い、腰痛の改善を調査しました。シドニー大学(オーストラリア)からの報告です。(JAMA Network Open、2025年1月10日)

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活動制限を伴う慢性腰痛を持ち、1つ以上の生活習慣リスク(過体重、不適切な食生活、身体活動不足、喫煙)を有する346人(平均年齢50.2歳、女性55%)を対象に、研究グループが考案した健康的な生活習慣プログラム(Healthy Lifestyle Program;HeLP)の腰痛軽減効果が、ガイドラインに則った標準的なケアとの比較で検討されました。HeLPは、ガイドラインに基づくケアに加え、健康的な生活習慣についての教育(冊子やウェブポータルへのアクセス)やサポート(理学療法士や栄養士とのセッション、電話での健康指導)などを提供する包括的なプログラムのことです。

試験参加者は、HeLPを受ける群(介入群、174人)と、ガイドラインに基づく理学療法ケアを受ける群(対照群、172人)にランダムに割り付けられました。主要評価項目は、介入開始から26週間後の腰痛による生活機能障害の程度とし、Roland-Morris Disability Questionnaire(RMDQ)を用いて評価しました。RMDQスコアは0〜24点で算出され、高スコアほど障害が大きいことを意味します。また、副次評価項目は、体重、痛みの強度、生活の質(QOL)、喫煙状況としました。

・ベースライン時のRMDQスコアは、介入群で14.7点、対照群で14.0点でした。
・しかし26週間後の評価では、介入群のスコアが対照群に比べて有意に改善し、両群のスコアの平均差は−1.3点(95%信頼区間〔CI〕−2.5〜−0.2、P=0.03)でした。
・HeLPの効果は、プログラムを忠実に守った参加者においてより顕著に現れました。
・また、介入群では対照群に比べて、体重減少が大きく(平均差−1.6kg、95%CI −3.2~−0.0、P=0.049)、QOL(SF Health Surveyの下位尺度である身体機能の評価スコア)の改善がより大きくなりました(同1.8点、0.1~3.4、P=0.04)。

以上より、腰痛持ちの患者のうち、生活習慣指導を受けた患者は標準的なケアを受けた患者に比べて、腰痛により日常生活が障害される程度が軽減し、生活の質(QOL)が向上しました。


参考文献:
Healthy Lifestyle Care vs Guideline-Based Care for Low Back Pain: A Randomized Clinical Trial - PMC

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