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運動と死亡リスク、性差は?

4/23/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:運動による死亡リスク低下、女性はより短時間で効果あり

身体活動は心血管系および全死因死亡リスクを低下させることが一般に知られていますが、身体活動量と性差の関係はどうでしょうか。中国・北京清華長庚医院からの報告です。(Journal of the American College of Cardiology誌、2024年2月27日)

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米国疾病予防管理センター(CDC)と国立保健統計センターの統計データを用いて、身体活動に関するデータを提供した米国成人41万2,413例(55%女性、年齢中央値44歳)を対象とした前向き研究を行いました。1997~2019年の身体活動の指標(頻度、継続時間、強度、種類)と全死因死亡率および心血管疾患死亡率との多変量解析後の関連を、性別ごとに検討しました。
 
・女性の32.5%、男性の43.1%が定期的に有酸素運動を行っており、有酸素運動の主要な指標はすべて男性で有意に頻度が高くなりました。
・491万1,178人年の追跡期間中に、1万1,670例の心血管死を含む3万9,935例の全死因死亡がありました。定期的な運動は運動不足と比較して、女性では24%(ハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.73~0.80)、男性では15%(HR:0.85、95%CI:0.82~0.89)の全死因死亡率の低下と関連していました(p<0.001)。
・男性は300分/週の中等度~強度の身体活動で最大生存ベネフィット(HR:0.81)に達しましたが、女性は140分/週で同様のベネフィットを達成し、その後も300分/週以上で最大生存ベネフィット(HR:0.76)に達しました。
・性差に特異的な所見は、心血管疾患死に関しても同様であり(p<0.001)、有酸素運動および筋力強化活動のすべての指標において一貫していました(p=0.009)。
 
以上より、女性は男性に比べ、同量の余暇身体活動によって全死因死亡リスクおよび心血管疾患死亡リスクの低下においてより大きな利益を得ることが示唆されました。
 

参考:Sex Differences in Association of Physical Activity With All-Cause and Cardiovascular Mortality - ScienceDirect

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