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交互接種、安全性は?

7/28/2022 10:00:02

新型コロナ

今日のポイント:交互接種による重篤なイベントのリスク増大なし
 

交互接種(1回目と追加接種で異なるタイプのワクチンを接種すること)による安全性はどうなのだろうかと気になる人も多いと思います。感染再拡大が起こっている今だからこそ、ワクチンの追加接種を検討している人も多いはずです。今日はデンマークから報告された最新の研究内容を紹介していきたいと思います。(BMJ誌2022.07.13号掲載)

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2021年1月1日~2022年3月26日、デンマーク国内でコホート研究を行いました。コロナワクチンの初回接種に、アストラゼネカ製ワクチンを接種し、その後にファイザー製またはモデルナ製ワクチンを1回または2回ブースター接種した18~65歳成人と、ファイザー製またはモデルナ製のみを2回または3回接種した成人について比較検討しました。

  • 主要評価項目は、ワクチン2回または3回接種後28日以内の、心血管系イベント(虚血心イベント、脳血管イベント[梗塞または頭蓋内出血]、動脈血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症[脳静脈血栓塞栓症または肺塞栓]、心筋炎/心膜炎など)による病院受診の発生としました。
  • 計2回接種の異種ワクチン接種群は13万7,495人、同種ワクチン接種群は268万8,142人でした。また、計3回接種の異種ワクチン群は12万9,770人、同種ワクチン接種群は219万7,213人でした。
  • 異種ワクチン群では同種ワクチン群に対して、ワクチン2/3回接種後28日の、心血管・出血/血栓性有害イベントの補正後発生率比は、虚血心イベントは2回接種群で1.22、3回接種群で1.00でした。
  • 脳血管イベントはそれぞれ0.74と0.72、動脈血栓塞栓症は1.12と4.74、静脈血栓塞栓症が0.79と1.09、心筋炎/心膜炎が0.84と1.04、血小板減少症と血液凝固障害が0.97と0.89、その他出血イベントが1.39と1.02でした。

以上の結果より、交互接種による有害事象の発生リスクは過度に心配するものではないとわかりました。今後日本国内でもアストラゼネカ製(ウイルスベクターワクチン)の使用が拡大した場合に参考になるデータだと思います。

 
参考:Safety of heterologous primary and booster schedules with ChAdOx1-S and BNT162b2 or mRNA-1273 vaccines: nationwide cohort study | The BMJ

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