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オメガ3脂肪酸と心房細動リスク

8/6/2023 10:00:04

その他

今日のポイント:習慣的なオメガ3脂肪酸摂取では心房細動発症リスクを上げない
 

オメガ3脂肪酸の摂取が心房細動発症リスクを高めることを示唆する研究報告がありますが、果たして本当なのでしょうか。米国・Harvard T.H. Chan School of Public Healthからの報告です。(Journal of the American College of Cardiology誌、2023年7月25日号)

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本研究では、血中または脂肪組織のオメガ3脂肪酸レベルと心房細動に関するベースラインデータを有する、世界的コンソーシアムの17の前向きコホート研究の参加者レベルのデータを用いました。エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の血中あるいは脂肪組織レベルと心房細動発症との関連を解析しました。各研究について、曝露、アウトカム、共変量、サブグループの定義を統一し、事前に規定された解析計画を用いてde novo解析を行いました。

  • 17コホートには北米、欧州、アジア、アフリカの 21ヵ国の5万4,799人が参加し、追跡期間中央値13.3年で7,720例の心房細動の発症が確認されました。
  • 多変量解析では、EPA値は心房細動の発症とは関連せず、五分位範囲でのハザード比(HR)は1.00(95%信頼区間[CI]:0.95~1.05)でした。
  • DPA、DHA、EPA+DHAのレベルが高い場合のHRは、それぞれ0.89(95%CI:0.83~0.95)、0.90(同:0.85~0.96)、0.93(同:0.87~0.99)で、心房細動リスクの低下と有意に関連していました。


以上より、サプリメントなどによる習慣的なオメガ3脂肪酸摂取が、必ずしも心房細動のリスクと関連あるわけではないようです。

 
参考:Omega-3 Fatty Acid Biomarkers and Incident Atrial Fibrillation - ScienceDirect

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