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2型DM患者、砂糖入り飲料と死亡リスク

5/4/2023 10:00:04

その他

今日のポイント:2型DM患者は砂糖入り飲料の多飲で死亡リスク2割増へ


米国・ハーバード大学公衆衛生大学院より、2型糖尿病(DM)患者における飲料別の全死因死亡および心血管疾患(CVD)との関連が明らかにされました。(BMJ誌、2023年4月19日号)

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研究グループは、1980~2018年のNurses' Health Studyと1986~2018年のHealth Professionals Follow-Up Studyに参加し、ベースラインおよび追跡期間中に2型DMの診断を受けていた男女1万5,486例を対象に、飲料別の摂取と死亡およびCVDアウトカムの関連を調べました。飲料の摂取量は、食品摂取頻度に関する質問票を用いて評価し、2~4年ごとに更新しました。主要アウトカムは全死因死亡、副次アウトカムはCVDの発症と死亡としました。

  • 平均追跡期間18.5年の間に、CVDの発症は3,447例(22.3%)、死亡は7,638例(49.3%)が報告されました。
  • 多変量補正後、各種飲料摂取量の5分類中、最高量群の最低量群に対する死亡に関するプール解析ハザード比(HR)は、砂糖入り飲料では1.20(95%信頼区間[CI]:1.04~1.37)でした。
  • 一方で、コーヒーでは0.74(0.63~0.86)、紅茶0.79(0.71~0.89)、淡水0.77(0.70~0.85)、低脂肪乳0.88(0.80~0.96)でした。
  • 同様の関連は、各種飲料摂取量とCVD発症・死亡との間にも認められました。
  • とくに、砂糖入り飲料については、摂取の最高量群の最低量群に対するCVD発症に関するHRは1.25(95%CI:1.03~1.51)、同じくCVD死のHRは1.29(1.02~1.63)と、摂取量と正の関連がみられました。
  • 一方で、コーヒー、低脂肪乳については、摂取量と同リスクに逆相関が認められました。
  • さらに、2型DMの診断後にコーヒーの摂取量が増えた人は増えなかった人に比べ、全死因死亡は低いことが観察されました。
  • 同様の関連性は、紅茶と低脂肪乳についてもみられた。
  • 砂糖入り飲料から人工甘味料入り飲料への変更で、全死因死亡やCVD死の有意な低下が認められました。
  • 砂糖入り飲料、人工甘味料入り飲料、フルーツジュース、全脂肪乳から、コーヒー、紅茶、淡水への変更でも、一貫して全死因死亡の低下が認められました。

 
以上より、砂糖入り飲料の多量摂取が全死因死亡およびCVDの発症・死亡と関連する一方で、コーヒー・紅茶・淡水・低脂肪乳の摂取は、摂取量と全死因死亡が逆相関がみられました。



参考:Beverage consumption and mortality among adults with type 2 diabetes: prospective cohort study | The BMJ

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