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認知症と糖尿病

7/9/2023 10:00:04

認知症

今日のポイント:HbA1c値が9%以上の成人は認知症リスクと関連

高血糖状態が続くと、アルツハイマー型認知症の原因となる「アミロイドβ」が溜まりやすくなり、認知症発症リスクが高まります。オーストラリア・National Centre for Healthy Ageingからの報告です。(JAMA neurology誌、2023年6月1日)

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1996年1月1日~2015年9月30日の期間中、50歳以上の2型糖尿病を有するKaiser Permanente Northern California統合医療システムの会員を対象としました。期間中のHbA1c測定が2回未満、ベースライン時の認知症有病者、追跡期間3年未満の者は除外しました。データは2020年2月~2023年1月に解析されました。
 
HbA1c値が6%未満、6~7%未満、7~8%未満、8~9%未満、9~10%未満、10%以上に該当する割合に基づいて分類されました。主要アウトカムは認知症の発症で、診断は国際疾病分類第9改訂版のコードを用いました。Cox比例ハザード回帰モデルにより、年齢、人種および民族、ベースラインの健康状態、HbA1c測定回数を調整した上で、累積血糖曝露と認知症との関連を推定しました。

  • 計25万3,211例が登録され、参加者の平均年齢は61.5(SD 9.4)歳、53.1%が男性でした。追跡期間の平均は5.9(SD 4.5)年でした。
  • HbA1c値測定回数の50%以上が9~10%未満または10%以上であった参加者は、50%以下であった参加者と比較して認知症リスクが高くなりました(9~10%未満の調整後ハザード比[aHR]:1.31[95%信頼区間[CI]:1.15~1.51]、10%以上のaHR:1.74[95%CI:1.62~1.86])。
  • 対照的に、6%未満、6~7%未満、7~8%未満が50%以上の参加者は認知症リスクが低くなりました(6%未満のaHR:0.92[95%CI:0.88~0.97]、6~7%未満のaHR:0.79[95%CI:0.77~0.81]、7~8%未満のaHR:0.93[95%CI:0.89~0.97])。

 
以上より、HbA1c値が9%以上の成人は特に注意が必要と分かりました。

参考:Glycemic Control Over Multiple Decades and Dementia Risk in People With Type 2 Diabetes | Dementia and Cognitive Impairment | JAMA Neurology | JAMA Network

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