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がん治療中のケモブレイン、運動療法に抑制効果あり?

5/26/2026 10:00:05

がん

今日のポイント
→運動ががん患者のケモブレインを防ぐ可能性

がんやがん治療に伴い生じる認知機能障害を総称して、CRCI(cancer-related cognitive impairment)と言います。抗がん剤による治療中や治療後の患者に生じる記憶力や集中力、作業能力の一時的な低下を表す「ケモブレイン」は、CRCIの一種です。運動ががん患者のCRCIを防ぐか検討しました。英ロチェスター大学医療センターからの報告です。(Journal of the National Comprehensive Cancer Network、2026年3月号)

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今回の研究では、米国内で2、3、4週サイクルで初回の化学療法を受ける予定だった687人の遠隔転移のないがん患者を対象に、CRCIおよび精神的疲労に対する運動の効果がランダム化比較試験で検討されました。参加者は、6週間の自宅ベースの個別化された運動療法を受ける群(354人)と標準治療を受ける群(333人)にランダムに割り付けられました。参加者の認知機能をFunctional Assessment of Cancer Therapy-Cognitive Function(FACT-Cog)、精神的疲労を多次元疲労症状調査票(Multidimensional Fatigue Symptom Inventory;MFSI)で評価するとともに、血液サンプルからIL-1βやIL-6など6種類の炎症関連マーカーを測定しました。547人が介入の前後で完全なFACT-Cogデータを提供し、うち348人は血液サンプルも提供しました。

・介入前後で、全ての参加者で認知機能の低下と精神的疲労の増加が見られました。
・解析の結果、2週サイクルで化学療法を受けている運動療法群では、標準治療群と比較して、全般的な認知機能低下の程度が有意に低く、また、自覚的な認知機能障害や他者が認識する認知機能障害の程度も低くなりました。
・一方、3週または4週サイクルで化学療法を受けている運動療法群では、標準治療群との間に有意差は認められませんでした。
・精神的疲労についても介入の前後で、全ての参加者において有意に悪化しました。
・しかし、運動療法群は標準治療群と比較して、介入後の精神的疲労が有意に軽度でした。
・特に2週サイクルの化学療法を受けている患者では、運動療法群では精神的疲労の悪化が認められなかったのに対し、標準治療群では有意な悪化が認められました。
・3週および4週サイクルで化学療法を受けている患者では、両群間に有意差は認められませんでした。
・さらに、1日当たりの歩数についても、運動療法群では介入前後でほぼ維持されていたのに対し、標準治療群では介入前と比べて歩数が有意に53%減少しました。

以上より、運動ががん患者のCRCIを防ぎ、認知機能を保ちながら日常生活を円滑に送るのに役立つ可能性が示されました。


参考文献:
Effects of Exercise on Cognitive Impairment in Patients Receiving Chemotherapy: A Multicenter Phase III Randomized Controlled Trial in: Journal of the National Comprehensive Cancer Network Volume 24 Issue 3 (2026)

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