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便器の蓋とウイルス飛散量

3/14/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:便器の蓋を閉めて水を流してもウイルス粒子の飛散量は変わらない


便器の蓋を閉めてから水を流すとウイルスの拡散を防ぐことができると言われていますが、実際はどうなのでしょうか。米アリゾナ大学からの報告です。(American Journal of Infection Control、2024年2月号)

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先行研究では、トイレの水を流すとエアロゾルが舞い上り、周囲の床や壁などのさまざまな表面に細菌をまき散らすことが明らかにされています。また、便器の蓋を閉めて水を流すことで、トイレ内での細菌の飛散量を抑制できることも示されています。しかし同じことが細菌よりもはるかに小さいことが多いウイルスにも該当するのかどうかについては調査しました。
 
・家庭用トイレの水を流す際に蓋が開けられたままだったか閉められたかにかかわりなく、トイレのさまざまな表面から採取されたウイルスの量に差はないことが明らかになりました。
・同様の結果は、公衆トイレでも確認されました。
・次に、トイレ掃除の際に塩酸配合の洗剤を使った場合と使わない場合でのウイルス除去効果についても分析しました。
・その結果、塩酸配合洗剤を使ってブラシで清掃すると洗剤を使わなかった場合と比べて、便器内の水から検出されるウイルス量が99.99%超減少することが示されました。
・また、トイレブラシから検出されるウイルス量も、洗剤を使った場合では使わない場合に比べてウイルス量が97.64%減少していました。
 
以上より、蓋を開けたまま水を流すか閉めてから流すかで、水を流している間のウイルス粒子の飛散量に変わりないことが示唆されました。
 

参考:Impacts of lid closure during toilet flushing and of toilet bowl cleaning on viral contamination of surfaces in United States restrooms - American Journal of Infection Control (ajicjournal.org)

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