TNM分類ってなに?
5/29/2022 10:00:03
がん
今日のポイント:がんのステージを決めるための指標で、最終的には治療方針に直結する
がんの“ステージ(がんの進行度合い)”という言葉はよく聞いたことがあると思います。医師はそのステージを分類するためにTNMという指標を用いています。今日は一般の方にはあまり聞き馴染みのないTNMというものを解説していきます。
- Tとは、tumorの頭文字で、がんの大きさや浸潤範囲を表す指標になっています。T0~T4まであり、T0は「腫瘍なし」であり、T1~T4はそれぞれの腫瘍によってサイズや浸潤範囲が次第に大きくなっていきます。
- Nとは、lymph nodesのNに由来し、つまりリンパ節への転移の程度を表しています。N0は「リンパ節転移なし」であり、N1~N3はそれぞれリンパ節転移の範囲が広がっていきます。
- Mとは、metastasisの頭文字で、がんの遠隔転移の有無や範囲を表す指標です。M0は「転移なし」であり、M1は「転移あり」を表しています。
また上記のTNM分類ですが、がんの種類によってその定義はまったく異なり、同じ腫瘍の大きさでも、ある場合はT1になり、他の場合ではT2になります。つまり、がんの種類によってとても細かく分類されているのです。
以上のTNM分類をそれぞれ利用し、実際にはT2N1M0、T3N2M1などの記載で表します。これらTNM分類に基づき、stage I~IVなどの最終的ながんの病期診断を行い、治療方針や予後予測に利用して患者さんの得られるメリットを最大化していきます。
参考:
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