研修医の自殺、研修開始後〇ヵ月が最多
7/6/2025 10:00:05
今日のポイント:研修医の自殺、研修開始後3ヵ月が最多
米国卒後医学教育認定評議会(ACGME)が行った以前の調査によると、2000~14年の米国における研修医・フェローの主な死亡原因は自殺とがんでした。後続研究としてACGMEは2015~21年のデータを分析し、以前の結果と比較しました。(JAMA Network Open誌、2025年5月14日)

主要アウトカムは前回(2000~14年)と今回(2015~21年)の2つの期間における研修医・フェローの死亡率の差でした。副次的アウトカムは一般の同年代との死亡率の比較、専門分野別の死亡原因の差異でした。
・2015~21年に370万778人の研修医・フェローが96万1,755人年分の研修に参加しました。
・この期間に161人(女性50人[31.1%]、年齢中央値31[SD 29~35]歳)が研修中に死亡しました。
・47人(29.2%)が自殺、28人(17.4%)ががん、22人(13.7%)がその他の疾患、22人(13.7%)が事故、21人(13.0%)が事故による中毒で死亡しました。
・がんによる死亡率は、前回から今回にかけて減少しました。
・一方、自殺を含むその他の全原因による死亡率には変化がありませんでした。
・両期間とも、自殺による死亡は研修1年目の最初の3ヵ月間に最も多く発生し(今回:9/47人)、研修の最初の1年間での発生が3割(同:14/47人)を占めました。
・今回の研修医・フェローの全原因による死亡率(自殺含む)は、同年代の比較対象群と比べて低くなりました。
・専門分野別では、自殺の死亡率が最も高かったのは病理診断科(10万人年当たり19.76人)、がんの死亡率が高かったのは精神科(10万人年当たり9.67人)、中毒の死亡率が高かったのは麻酔科(10万人年当たり15.46人)でした。
以上より、研修医の自殺は研修開始後3ヵ月が最多で、全体の3割に及ぶことが明らかになりました。
参考文献:
Causes of Death Among US Medical Residents - PMC
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